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【調教 官能小説】

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透明の海-1

直人は不器用に微笑んで奥の部屋に移動してしまっていた。豪華な広間に残された私は戻ってくる直人に備え洋服を質してその時を待つことで精一杯だった。イタリアから取り寄せた攻撃的なミニスカートの丈を確かめウォーキングで仕上げた瑞々しい細くて綺麗な脚線を見下ろして私を励ますように暗示を掛けていた。

「大丈夫。美しいわ」

頷くように点検した脚先は新調したピンクのパンプスが確かな若さで嵌っていた。

「21歳でここまで色気は魅せれない。私はプロのモデル。大丈夫。かなり可愛いわ」

落ち着かせようと脚元を見下ろしているときだった。

「紅茶です」
「初めてかしらね夏希ちゃん」

英国紅茶の香りを広間に漂わせながら陶器の蓋を開けたその人はピンクのフロッキースーツを見事に着こなしてモデルのわたしですら見惚れるシャープなスタイルで私を見下ろしていた。洗練された上品な香りに包まれたハーフアップを決めて私を試すように微笑んで見下ろしていた。

「川瀬夏希です」
「宜しくお願いします」

明らかに高額と分かるフロッキーレースの花柄は繊細な刺繍で綴られ脚元で光るビジューデコのオープンパンプスは本物のダイヤモンドのように輝いていた。

「直人はもう少し掛かるわ」
「少しお話宜しいかしら」

私の斜め前のソファーに腰を降ろして微笑みながら話しかけてくれていた。

「わたしはね。青山佳奈といいます」
「宜しくね」

美しく手入れされた綺麗な髪の隙間からGOLDの三角イヤリングが豪華な広間に相応しく揺れていた。

「青山佳奈さん。ですか」

戸惑うように女性を見つめてしまっていた。

「そうよ、直人の姉よ」

さらっと言いきったその人を唖然と見上げてしまっていた。

「そうなの。姉なのよ」
「やだ、どうしよう。はじめまして。
川瀬夏希です。宜しくお願いします」

びっくりした私は立ち上がって深く頭を下げてしまっていた。

「沙也加さんの事務所に所属しています。21歳です。167cmです。沙也加さんに憧れてモデルを目指してます」
「可愛いわね。知ってるわよ」

美しい笑顔を傾けてわたしを座るように促していた。

「今日ここに来たこと、沙也加は知ってるのかしら」

意地悪な微笑みで私をからかうように完璧に手入れされた綺麗な瞳は笑っているようだった。

「いや、あの、言ってません」
「そうよね。そうなるわね」
「でも、直人さんとは真面目に考えたいと思ってます。だから、沙也加さんを巻き込むとか、そういうのは無いです」

両手で口を隠すように可愛らしく笑われてしまっていた。

「やだ、すごい面白い子。分かってるわよ、沙也加には黙っておくわよ」

スリムスーツに手を揃えてイヤリングを揺らしながら私に美しい素顔で頷いてくれていた。

「佳奈さん、あの」
「そうね、話はね直人のことなのよ」
「直人さんのことですか」
「そうよ、直人はね、どうやらあなたのことが好きすぎて辛いようなのよ」
「そんな、わたしはまだ何も知らないし、それに出会ってから会うのは今日が3回目ですし」

恥らう私を見つめながら優しい微笑みで上品に笑っているようだった。

「やっぱり可愛いわ。21歳は得ね」

美しい仕草で私の脚に手を載せて綺麗な素顔で私の顔を覗きこむように見上げられていた。

「直人のこと、頼むわよ」

上品な香りが私を包み美しいフロッキースーツを翻して「宜しくね」と本物のモデルのように完成された笑顔で私に手を振ってGOLDイヤリングを揺らし緋色の階段に相応しい豪華なヒールを輝かせながら颯爽とどこかに行ってしまっていた。

完成された美しさで直人の本心を伝えてくれていた佳奈さんに圧倒された私は恥じらいながらも直人の気持ちが嬉しくて動揺を隠すことができなかった。

「どうしよう」
「私、今日どうなるんだろ」

佳奈さんと比べるとまだ幼さの残る私の脚元に視線を落として、これらか起きる出来事に緊張を高め肩の刺繍を質すようにオフショルダーの胸元をさりげなく魅せるように直してその時を待つように直人が居る奥の扉を見つめることしかできなかった。


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