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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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私だから伝えられるコト-6

三島華英は市街地から少し離れた墓地にいた。西進ビル爆発事件で殉職した渡辺智則の墓前に蹲っていた。渡辺智則の葬儀が終わった翌日から雨の日も含め毎日通っている。朝から日が暮れるまで、ずっとだ。刑事になってからずっと教育を受けて来た先輩の死は華英にとって家族を失ったのも同然なのであった。

もともと50キロあった体重も今は40キロぐらいにまで落ちてしまった。自慢の胸もしぼんでしまったような印象を受ける。健康的で活発であった従来の華英の姿はすっかり豹変してしまった。今日も華英は渡辺の墓前に朝から蹲ってた。

そんな華英の耳に足音が近づいて来る。その音を全くの他人事としてぼんやりと聞いていた華英だが、すぐ横でふと足音が止まった事に、何となく視線を向ける。生脚にハイヒール、短いスカート。華英の目には見事な美脚が映り込んだ。視線を上に上げる。逆光に目が眩む華英。一瞬誰だか分からなかった。

「私もお線香あげさせて貰ってもいいかしら?」
そう言われて立ち上がる華英。
「あ、はい…」
華英はすっと体を退かす。
「ありがとう。」
同じ目線になり、その顔を見て驚く華英。そこにはずっと憧れて来た伝説の女刑事がいた。
「う、上原…さん!?」
鳩が豆鉄砲を食らったような顔を見てニコッと笑った若菜は持参した花を備え付け、墓前にしゃがみ線香をあげ合掌し目を閉じる。そんな姿を華英は見つめていた。

合掌を解き目を開ける若菜は墓石を見ながら言った。
「憎い?」
「えっ…?」
憧れの若菜を目の前に動揺を隠せない華英。
「大切な恩師を奪ったサーガが憎い…?」
華英は戸惑った。
「い、いえ…」
本心とは真逆の答えをしてしまう華英。若菜の過去を認識している華英には、正直に憎いと言う事は出来なかった。
「嘘。憎いでしょ?」
「…っと…」
言葉に詰まる華英。
「私が1番今のあなたの気持ちは分かるつもりよ?憎いに決まってる。仇を取りたい。殺したい…。私は過去に先輩を奪われ田口徹に復讐する事を先輩の墓前で誓った。あなたもきっと同じ。刑事として間違った道へと足を向ける懺悔を渡辺さんに伝え、憎きサーガをその手で仕留める決意を抱いてるはず。違う?」
「…」
その通りであった。サーガに復讐する誓いをしていた。憧れていた若菜がそうしたように、自分もそうしたい、そう決めていた。自分の考えは同然若菜には見透かされているだろう。若菜には分かって貰える…、そう思い正直に話す事にした。


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