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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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私だから伝えられるコト-4

若菜は城南市の隣、酒井市に向かう。予め目的地を調べてナビにセットしておいた。酒井市はどちらかと言うと住宅の多い町だ。新興住宅街と言ったとこだ。道路を始め森や池など綺麗に整備されており綺麗な町である。若菜はある家の前に車を止め玄関に立つ。
「ごめんください。」
若菜はインターホンに向けて言った。すぐに返事があった。
「はい。」
「私、上原若菜と申します。千城県警の者ですが、華英さんはいらっしゃいますでしょうか?」
「上原若菜さん…?」
ガチャと鍵が開き、三島雪子が出てくる。若菜が会いに来たのは柳井市の西進ビル爆破の時に知った刑事、三島華英の母である。
「あら、本物!?」
若菜は苦笑いをしながら答える。
「一応本物です。」
「まぁ!警視総監になられたんですよね??警視総監様がうちなんかにまたどうして??」
「ちょっと華英さんに会いに。」
「そうですか。華英はちょっと今いないんです。仕事も休職中でいつも朝に出かけて帰りは夕方なんです。」
「そうですか。渡辺智則さんのお墓ですかね?」
どうして分かったの、的な少し驚いた顔を浮かべた雪子。
「そうだと思います。あの爆発事件後、すっかり落ち込んじゃって…。きっともう刑事には戻らないと…」
若菜はニコッと笑う。
「私が見た所、彼女は有能です。彼女は私達にとって必要な人材です。私が辞めさせませんからご安心を。」
「そんな…、警視総監様にそう言っていただける程、大した子じゃありませんよ?」
「…、申し訳ないんですが、警視総監様と呼ぶのは…。私こそそんな大した人間じゃないんで…」
「またまたご謙遜を!あ、すみません、一緒に写メ撮ってもらってもいいですか??」
「…か、構いませんが…」
「本当ですか!?ありがとうございます!」
雪子は嬉しそうに若菜とのツーショットを撮る。娘がどん底の割には明るいお母様だなと思った。
「全く、警視総監様にそこまでお褒めいただいてるって言うのにウチの娘は…。」
「心配でしょう??」
「ええ。でも人間には乗り越えなければならない壁ってあるでしょ?華英にとって今がその壁だと思うんです。私はその壁を乗り越えて欲しい。乗り越えなきゃダメ。そう思うから特に口出しはしないんですけどね。刑事を辞めたいと言って来た時には、じゃ辞めれば?と言いました。でもまだ辞職願は出してません。辞めたいといいながらきっと葛藤してるんです。たくさん葛藤すればいいと思います。葛藤した結果辞めたければ辞めればいい。でも葛藤してると言う事は続けたい気持ちもあると言う事。自分の信じた道を歩き続けられるかどうかの正念場ですからね。私は負け犬にはならないと信じてますが、ね?」
穏やかな笑みを浮かべながらそう言った雪子に若菜はフッと笑みを浮かべた。
(やっぱお母さんって強いもんなんだね。)
若菜は自分の母親の事を思い出した。麗子はいつも強かった。雪子に若菜は麗子の姿を重ねずにはいられなかった。懐かしいこの感じ…若菜の胸はじんわりと熱くなったのであった。


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