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没作品 硝子の心 処女作
【若奥さん 官能小説】

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36歳の婚活 本編4頁目-1

扉は厚く何も聞こえてこなかった。

「本当にいないんじゃないかしら」

美しい姿勢でわたしを守ろうとしている沙也加を守り返すように取手に腕を伸ばし扉が完全に施錠されていることに気付いたときだった。

「いるわよ。空けれない何かが起きているのよ」

沙也加はわたしを見下ろしながら取手の指先を返していた。

「直人はね。扉を空けると縋りつくようにわたしの腰に抱きついてくるのよ」
「薄いランジェリーに顔を擦り付けて泣いていたかと思うと突然指先で陰毛を曝け出して一本一本を大切な物のように毛揃いをして綺麗だなぁって見上げる日だってある可哀想な24歳なのよ」

沙也加は優しい瞳で扉を見つめているようだった。

「直人は今、困っていると思うわ」

二人だけが理解できる優しさにわたしの心は穏やかに解され、それでも開けられる扉を待ち続ける沙也加を見つめ何かできることはないかと沙也加に問いかけていた。

「何をすればいいのかしら」

沙也加を守ろうと背筋を伸ばす綺麗な背中に声を掛けていた。

「石畳みの玄関の横に丸いボタンがあるわ。押してきてくれるかしら」

言われるがまま玄関のボタン押すと大袈裟な音を立て玄関の厳重な内鍵が嵌る鋼鉄の鍵の音を長廊下は響かせていた。

「次にあなたは脱衣室の箪笥から好きなランジェリーを選んで何も考えずに好きなドレスに着替えて来てくれるかしら」

何時でも扉を開けられてもいいように姿勢を維持する沙也加を残してわたしは言われた通り脱衣室に向かってダイニングで揃えられた一式に近いドレスを取り出して扉に向かっている筈の沙也加を待たせないように急いで着替え終えていた。

履きなれない高額のパンプスを廊下に響かせ沙也加の待つ扉に辿り着いたとき沙也加は真っ直ぐ扉を見つめなから溢れる涙を強い気持ちで堪えるように姿勢を伸ばしながら溢れこぼれた涙が滴るように沙也加の身体を流れ落ちていた。

綺麗に着飾ったわたしの側で沙也加は直人に問いかけていた。

「沙也加よ」

沙也加の声は震えていた。

「直人。沙也加よ」

沙也加は気丈に背筋を伸ばし美しい姿に喜ぶ直人を待つように確りと脚元を揃えて姿勢を保っていた。

「沙也加なのよ」

沙也加は声を震わせながら保っていた姿勢が力尽きたように扉に手を当て笑顔の直人を待っているかのように豪華で綺麗な身体を普通の女子の背中のように崩して泣いてるようだった。

一度結婚に失敗しているわたしには沙也加の純粋な姿に本当の恋を思い出してしまい貰い泣きしてしまいそうになっていた。

「直人。沙也加よ」

扉に小さな顔を押し付けた沙也加は普通の女子そのものだった。

豪華な刺繍で造られたドレス姿のわたしは沙也加の横で「直人は沙也加さんを大切にしてるから開けないと思うわ。だから大丈夫よ」と本当に熟してしまった柔らかい身体を沙也加に向けて抱きしめてあげられるように手を広げておどけて見せてあげていた。

沙也加は泣き崩れるようにわたしに抱きついてきていた。

「わたしはね、若い頃の直人に好きなようにされてしまって女だけがもつ機能を壊されて女としての本当の幸せを失ってしまったの」
「だから怖いの。27歳当時のわたしのような健康な女性に直人を取られそうで怖いのよ」

気丈に振舞っていた沙也加は子供のように泣き崩れていた。

沙也加を宥めながらわたしは強く扉を叩いていた「千佳です。空けてくれるかしら。あなたが揃えた一式に着替えて待ってるのよ。いいのよ中に出しても。咥えさせてくれるかしら。バイブでわたしを弄んでも構わないわ。アンティークソファにゴム製のベルトでわたしを縛り着けて剥き出しの股間に躊躇わず挿入て乱暴に中にだしてもいのよ。わたしはね、あなたが思っている以上に豊潤な身体をしているわ。そんなわたしの身体はあなただけのものよ。好きにしていいのよ」

直人を挑発するように扉を開けさせるためにわたしは必死に扉を叩いて直人を呼んでいた。


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