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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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奪われた幸せ-9

「一件落着ってとこかな。」
「まぁ、これで少しは、ね。」

と言うのも次のニュースでアイツに判決が下り「あまりにも身勝手極まりない犯行、同情の余地もない」と言い放ち重い終身刑が下り、暗い刑務所で死ぬまで一生嘗ての親子の苦しむ姿を勝手に妄想するのだろう。

人気のない公園、清々しく吹く風のように私たちの心も軽くなり。

「でもやっぱ強いよね風馬君って、私凄いと思う。」
「……そんな事ないよ。」
「けど。」
「僕だってあの時は何度も何度も復讐してやろうと思った、君や母さんも誰も居ない所で荒れたし、葬儀だって人前であんな。」
「それはしょうがないよ。」
「でも、そんな時いつだって君の顔が浮かんだんだ。」
「?私の?」
「…うん。君との幸せな未来を思い浮かべたら、そんな事してる場合じゃないって。」
「……。」
「人は大事な物があると、辛くても強くなれる支えになるって言うけど本当だよね。」
「風馬君。」
「僕が強いのは他でもない君のお陰だ、君が居なかったらきっと…、だからさ、もし僕が間違った方向に行ったら容赦なく叱って、そして僕が辛くて同省もない時は。」
「分かってる、私もずっと君の事、支えるから、おじさんお爺さんに、いえ天国に行ってもずっとずぅーーと。」

そう言って私は彼を抱きしめた。

奪われた幸せ、でもそんなもの取り返せば良いだけの事、そう何度だって。

次回、59話に続く。


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