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人類ポニーガール化計画
【調教 官能小説】

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第19話『乗馬の鉄人』-2

 ……。



『乗馬の鉄人』


 素人で騎手希望の男性が、3人の鉄人騎手から1人を選び、乗馬の技術を競う番組だ。 ウマは、現役の軍馬でも露馬でもない。 履歴書に嘘を書いた女性――『ポニー調教』を受けただけなのに、自分に『露馬歴がある』と書いたり、裸馬を卒業していないにも関わらず『露馬』に昇格予定と書いたり――が10名全国から集められていている。 嘘をついて自らの拙劣なウマ歴を偽った彼女たちが、鞍上する対象だ。 ちなみに10名は露馬の恰好をしているものの、運動能力も従順度も到底露馬には及ばない。 爪先立ちもぎこちないし、アナルプラグに至っては直径2センチの極細だ。 ただし紐状スーツの内側とアナルプラグには高圧電源が組まれていて、騎手が自在に電流を急所に流せるようになっていて、この点は本物の露馬衣装と仕様が違う。

 オープニング。 3人の鉄人が紹介される。 1人目は『競馬の鉄人』だ。 鞭捌きに手綱さばき、コース取りや馬の追い込み、併せ馬からゲートインまで、馬をどう刺激すれば思い通りに操れるか熟知している。 特に鞭捌きは圧巻で、傷つけないよう、けれど温い刺激で気分が緩まないよう――激痛を瞬発的に叩きつける乗馬鞭が乱打すれば、どんな馬でも地力の120%を発揮した。 2人目は『障害の鉄人』。 馬の動ける限界を見極め、常にギリギリまで可能性を引き出すタイプ。 特に水郷が得意で、馬が気持ち良く水を浴びながら、しかも飛び越えた達成感を得られる距離でジャンプさせる。 馬と一体化した鞍上は芸術の域にたっしていよう。 3人目は『騎馬の鉄人』という。 特技は、武器を携えて馬にのり、長槍での一騎打ちで相手を馬から叩き落とすことだ。 もちろん馬から流鏑馬したり、弩弓を放ったリ、剣で切り結ぶことも出来る。 馬は刃物がぶつかる音や、金属光沢だけで怯えるものだが、彼は馬からあっという間に信頼を引きだす。 馬もまた彼の信頼に応えようと懸命に戦ってきた。 乱戦において彼の馬が、逃げだすどころか一歩たりとも引かないのは、沢山の目撃者に裏打ちされた有名談だ。

 騎手希望の素人男性は、番組から正規の『露馬』が貸与される。 素人男性は露馬に乗って様々な競技に挑み、『経歴詐称した女性を拘束し、露馬の衣装をつけさせた即席ウマ』に乗った鉄人と競う。 素人男性が勝てば、男性は実社会で騎兵の見習いに採用だ。 男性が軍に採用される機会など、『2ch』くらいしか存在しない。 ゆえにこの番組は『騎兵』を目指す男性にとって一攫千金の大チャンスであり、視聴率も極めて高い。 一方で鉄人が勝利すれば、鉄人が乗ったウマは『それなりにウマとして能力が高い』と認められる。 ウマ歴詐欺の罪が特赦で消え、番組出場記録を履歴書の『ウマ歴』に記入することも許される。 まさにウマにとって美味しい展開だ。 ただし負ければ話は別で、『自分の経歴を偽った』上に、『本当は未熟なウマであるにも関わらず不当に自分を高くみせた』という『僭越罪』が適応だ。 もしも最高級の騎手を得てまでして、素人鞍上の『露馬』に遅れをとるなら、最大級の『僭越罪』によるペナルティは、懲役で済めば軽い方といえるだろう。 場合によっては、『ポニー調教』を受講した上で、永遠に裸馬として牧畜される可能性まで見えてくる。

 種目は『短距離走』『長距離走』『ハードル走』『障害走』『騎馬倒し』『騎馬戦』の6種目。 素人男性と露馬のペアは、経歴詐称で連行された女性の中から、最も年増な女性――40代前半だろうか。 体つきは若々しいし、おっぱいの張りも中々だが、顔の小皺は隠せない――を指名した。 

 第2種目、短距離走。 『競馬の鉄人』が年配牝ウマに鞍上する。 それだけで牝ウマはヨロヨロして、みっともないことこの上ない。 一方素人鞍上とはいえ、露馬は露馬。 一通りウマの訓練を経たことで、小柄とはいえ男性が乗っているというのに、ビクともしないで背筋を伸ばす。 2騎はスタート地点に並び、号砲と同時に駆けだした。 素人露馬は、ほとんど露馬が勝手に走っているに過ぎない。 申し訳程度に鞭をいれ、真っ白なお尻に赤い痣を刻むも、露馬は心得たもので、最初から最後までの20秒あまり、ペースを変えずに100メートルを駆け抜けた。 対して『鉄人』が乗った牝ウマは、筋肉もバランスも体格も、全てが露馬に劣っている。 号砲一下駆けだすも、すぐに足がもつれて転びそうになった。 ところが、グイッ、『鉄人』が手綱をしぼって立て直し、転ぶことを許さない。 さらに鞭をお尻に乱打し、痛みでもって強制的に全力疾走させる。 牝ウマは声にならない悲鳴をあげながら、ドタドタ、バタバタ、先行する露馬に追いすがった。 スタートする前は圧倒的な差がつくかと思ったが、終わってみると、露馬が22秒5、牝ウマが26秒3、鞍上しての100メートル走としては上々のタイム。 特にウマ初心者を100メートル完走させた『鉄人』の手綱さばきには、アリーナの客席をうめたギャラリーから拍手が起きた。




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