投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

恋のMEMORYの最初へ 恋のMEMORY 361 恋のMEMORY 363 恋のMEMORYの最後へ

打ち砕かれた家庭-5

「いやぁー、買ったねぇー。」
「そうだねー。」

この日は家族三人でスーパーで買い物に行った、奴の嫌がらせがエスカレートするに連れて家の事が疎かになりがちで。

八重樫さんが気分転換にと僕らを誘い。

「今夜は僕が料理しようかなー。」
「あら出来んの?」
「おやぁー、僕の仕事忘れたのー?」
「あははっ!嘘嘘♪じゃーお願いしようかしら腕利きシェフさん♪」
「ふふ、二名様ご招待♪」
「♪」

ジャガイモ袋片手にはしゃぐ二人。

彼がスーパーに行こうと言い出して正解のようだ。

「やっぱ今の時代夫も料理出来ないとね、仕事という意味でなく。」
「夫…。」

実はこの二人まだ正式に籍は入れていないようで、いわゆる事実婚と言うやつかな。

「風香さん。」
「八重樫さん。」

お互いしんみりとし出し。

「ねぇ、今度の休みの日皆で旅行にでも行かない?」
「え…。」
「まだいつもの元気で明るい君に戻ってないみたいだし。」
「……。」
「そこでいつもの素敵な風香さんに戻ったその時は…、僕と結婚してくれ。」
「っ!」

突然のプロポーズ。それは僕にとっても嬉しいニュースであり。

思わず両手で口を塞ぎ目を見開き彼を見つめる母さん。

「ささっ!そうと決まれば早速準備しよ、でもその前に食事だ。」
「…風馬。」
「何、母さん。」
「私達、今より一層幸せになれるみたいだよ。」
「ふふ、そうだね。」

親子で微笑む。

「ほら何してんの?早く料理したいんだ、君たちに最高の…。」
「サセナイ…。」
「えっ?」
「どうしたの、……っ!!」

それは、一瞬の出来事だった。

次回、58話に続く。


恋のMEMORYの最初へ 恋のMEMORY 361 恋のMEMORY 363 恋のMEMORYの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前