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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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暗黒面には落とさない-6

間が悪いのは杉山である。何も知らずに話しかけて来た。
「おはようございます。昨日はゆっくり休めましたか…?」
マギーから見ればアホ面下げてヘラヘラしているように見え、それがまた苛っとくる。
「あ…!?」
「!!」
鬼のような顔とハーフの美しい顔からは想像出来ない程のダミ声にチビりそうになる。
「お陰様で良く眠れまーしーた!!」
「そ、そっスか…」
プイッと顔を背けパソコン画面に向いたマギーに5秒ほど立ち竦んだ後、スーッと去って行った。
(もう!馬鹿!!)
気配が消えた瞬間マギーは頬を膨らませる。

(な、何か悪い事したかな…)
全く思い当たる節がない杉山は心臓をバクバクさせながら仕事を始めた。そんな2人を影から見ていた若菜は口を塞いで笑いを必死で我慢していた。
(さてと…)
若菜は署長室に入り中居に城南市に戻る事を相談する。
「いいんじゃないのか?君の方針はそのまま警視庁の方針になる。我々はそれに従うのみだからな。」
「ありがとうございます。では今週中にある程度捜査結果を纏めて週明けには戻ります。」
「ああ。わかったよ。マギーも連れて帰るんだろ?」
「マギーには残って貰います。」
「ん?どうしてだ?片腕だろう、君の。」
「ええ。でも今彼女が警察官としてしっかりと前を向いて歩いていけるかどうか大事な時です。杉山君に聞いたのですが、彼女は心に闇を持ってます。親友を死なせたレイプ犯に対する憎悪感で心の中はいっぱいです。このままではそのレイプ犯が釈放された瞬間に良からぬ事態を引き起こすでしょう。私の勘ではきっと不死蝶がマギーに接触してくるはずです。不死蝶側はマギーのその過去も掴んでいるような気がします。私と行動を共にするマギーは結構目立つし、不死蝶側から見ればマギーを味方につければさらにこちらの出方は把握しやすくなるし、マギーは誰よりも落ちやすい状態でありますから。マギーの親友をレイプし死に至らせた男らの名前は、未だ逃亡を続けている植田卓郎、現在東京刑務所に収監されており、今年の11月に釈放予定の柳沢智也と山口研二の3人。マギーは深野に会いに東京刑務所に行く度に危ない雰囲気を出していました。彼女の憎しみは想像よりかなり大きく感じました。恐らく殺害する事を考えている事だと思います。彼女のその間違った考えを正さなくてはなりません。後輩に私と同じ過ちを犯させる訳には行きません。彼女を救えるのは杉山君しかいないと思うんです。彼の正義感と真っ直ぐな性格と愛がきっとマギーを救ってくれる事でしょう。私ではダメなんです。彼女は私が先輩の仇をとった姿に憧れを抱いている感がありますから。してしまった過去は消えません。私がどんなに説得してもダメでしょう。マギーを救えるのは異性の愛。女は男の、男は女の愛情に救われるものです。杉山君にはその旨を伝えてあります。あとマギーにも直接話して釘は打ってあります。」
「そうか…」
大変な職務を遂行しながら後輩の心配までしているとは大した人間だと感心した。が…。
「で、昨日杉山君にマギーとヤッちゃえって言ったのに、あのシャバ憎と来たら何もしないでホテルに送って帰ったんですよ!?ったく…男ならガッと抱き寄せてガッとヤッちゃえって感じですよね!中居さん、杉山君にきっちり教育して下さいね!?」
「あ、ああ、わかったよ…」
中居もそれ程女を経験して来た訳でもない為に戸惑ったが、若菜にシャバ憎と罵られるのが怖くてそう答えてしまった。
(上原さん…あなたの娘は強いなぁ…。)
そう思いながら頭をかいて苦笑いした中居であった。


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