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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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正義と悪-3

「相変わらず質素な本部ね。まぁ本当に良心的にやってはいるんでしょうけどね。」
若菜はフレア本部を見ながら言った。調べでは特に違法とも思える金額は取っていないし、薬物などの違法な商品の売買も見受けられなかった。下条が代表を務めるフレアの実態は実に良心的な真っ当な宗教団体である事は分かっている。下条も正義感に溢れた人間であり、真っ当な宗教団体を作ろうと努力している事は若菜も認めているところだ。

では何故わざわざ若菜がフレアに出向いたかと言うと、正義感が強ければ強いほど、悪が憎く感じるものである。すなわち同じフレアの一員であるサーガの暴挙には目を瞑るにも潰れないであろう事が推測される。同時多発テロがサーガの仕業ではなくサーガに対して行われたものならば、サーガに憎しみ、嫌悪感を抱く下条が関わっていてもおかしくはないと考え探りを入れに来たのであった。

下条は若菜から連絡を受けていた為に若菜らが到着すると自らが出迎えた。
「急にごめんなさいね?」
下条はチラッと杉山を見て若菜に視線を戻す。
「いえ。お二人ですか?」
「はい。それが何か?」
「いや、警察からしたら我々は危険な宗教団体でしょう?それなのに少人数で来られたので。」
若菜はニコッと笑う。
「私は1人でも大勢の敵に襲われたとしても負けない自信があるので。」
一瞬唖然とした下条だが、フフッと笑った。
「それに私はあなたが代表を務めるフレアを危険な宗教団体とは思ってません。実に良心的な真っ当な宗教団体だと認識しておりますので。」
「ありがとうございます。ではでうぞ。」
下条は若菜と杉山を中へと招き入れた。

ソファに座った2人にお茶を出すのも下条が行う。それは今日だけと言うよりはいつもそうしているようだ。茶筒、ポット、茶碗など自分で置いてある場所を把握しており手際が良かったからだ。そこら辺に下条が教祖ではなくあくまで代表なんだと自認している事を感じる。なぜなら客にお茶を出す教祖など誰も崇めないだろうから、だ。お茶を出すと下条は2人の対面に腰を下ろした。

「さて今日はどういうご用件で。」
下条がそう言うと、若菜は包み隠さず単刀直入に言う。
「旅客機による同時多発テロはご存知ですよね?」
「勿論。」
「私たちは当初、サーガによる犯行だと思いました。しかし違った。あのテロはサーガに向けた何者かによる犯行だという見解です。その何者かはまだ掴めておりませんし憶測の域をまだ出てません。しかし謎があります。それはスカイツリーを破壊したのはサーガの悪質で残酷なレイプ生中継という悪業を止めさせる為、警視庁ビルを破壊したのはサーガと同時に警察にも憎しみを抱いていたからだと推測してます。しかし国家議事堂と都庁については何の為に破壊したのかまだ分かっておりません。その謎の二件について理由が分かればだいぶ犯人の特定がなされるものと思っています。その中である1人の女性の存在が大きな鍵を握っていると見ているのです。下条さん、白川歩美という女性をご存知ですか?また、フレアに白川歩美という女性は入信しておられますか?」
写真を渡すと下条は一瞬下を向き白川歩美の名前を呟き記憶を辿るような仕草を見せてから言った。
「私の知る限り、私には面識はありませんし、信者の中にもいないと思います。全国の支部の信者リストは管理してますし目も通してます。サーガの仕切っていた千城支部以外の支部の入信者にかんしては入信後、一度は必ず本部に出向いていただき色々お話をしますので顔に見覚えがあれば気づきますから。」
「そうですか。」
その答えは予測済みだ。若菜に、特に落胆する様子は見受けられなかった。ただし下条の視線が不自然に若菜を真っ直ぐに見つめ過ぎな事は感じ取った。目が泳がぬようしっかりと一点を見つめているような視線に、若菜は下条が白川歩美の存在を知っている事を確信した。


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