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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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消えたサーガと白川歩美と協力者-9

間も無く萬岸署に到着した若菜は署長室に入る。東京刑務所と有佳の件を報告した。
「まぁ、我々の身勝手でプロジェクトに参加させたり中止にしてしまったり、彼女を振り回してしまったからなぁ。君が深い関わりがなく犯罪性が薄いと考えるならば逮捕する必要もないだろ。NFPにおいて彼女の貢献度は非常に高かったのも事実だ。彼女を逮捕して事情聴取をさせないと話さない事は多分ないんだろ?」
「ええ。」
「ならいいだろ。警視総監がそう判断したらな我々はその判断に従うのみだ。」
「…私は捜査においての判断には自信があります。間違ってももう憎しみで殺人を起こす事は絶対にありません。でも、自分の判断イコール警察の判断となる事に、怖さは感じます。」
「フフッ、どうせ警視総監なんていつでも辞めてやる的な気持ちでいるんだろ?自分の判断を信じて思い切りやればいい。怖いものなんて何もないじゃないか?」
「そうですね。フフッ、何を怖がってんだろ、私。ありがとうございます。気分が楽になりました。」
「それでいいんだ。」
顔を見合わせて吹き出してしまった。

「しかし白川歩美は大胆と言うか…、河原に着衣を残して行ったり鮫山綾を解放したらサーガの元になりすましたスパイを送り込んだ事が分かってしまうのを知りながら本物を解放したり、自分のする事を隠すつもりが全くない。よほど捕まらない自信があるんでしょうね。」
「ああ、自信あるんだろうな。自分は絶対に捕まらないと信じて動くか捕まる事を恐れてビクビクしながら動くのでは全く違うからな。それに…」
「それに…?」
「…自分らの目的を達成する事が出来たら潔く逮捕されるつもりかも知れないし、もしくは捕まらないまま命を絶つ可能性もある。」
「そうですね…」
「その白川歩美が属する不死蝶なる団体がもし宗教的な団体なら集団でそういう道を辿る可能性がある。話ではレイプ被害者の集まりなんだろ?その悲しみを受け入れ、救ってくれたリーダーの為に命をかけてもおかしくはない。どん底の状態で見た光は人生において最大の光に感じるものだからな。もしかして下手な宗教団体なんかよりも固い絆で繋がっているかも知れないしな。」
「ですね。謎の多い団体です。レイプ犯罪者に対しての反抗勢力なら志は我々警察と同じ。でもテロリスト。ホント、正義と悪は背中合わせです。私は思うんです。彼女らはきっとそろそろ本物の機長達を解放するんじゃないかって。きっとニュースを見て機長らの家族がテロリストの家族だと叩かれている様子を見て何も思わない訳がないと思うんです。そういう優しさは持つ団体だと感じます。」

若菜がそう言った瞬間であった。杉山が慌ただしくノックして入って来た。
「各旅客機の機長の生存が確認されました!全員無事です!神奈川県の新浜駅に現れ、現在新浜署に保護されている模様です!」
若菜は中居と顔を見合わせて、ほらね?と言った表情で頷いた。
「では早速捜査員を向かわせて。あと、機長の無実をプレスリリースして。彼らはテロに全く加担していないと、ね。」
「了解です!」
萬岸署は早速記者会見を開き事実を伝えた。
「これ、テロリストに協力した事になるのかな…」
彼らの家族を誹謗中傷から守る事に協力した事に対してそう思った。そのような優しさを持つテロリスト…、本当に不思議な団体だと感じた。

「さすが上原若菜…。私達のメッセージをちゃんと分かってるわね、フフフ。尊敬するわ、やっぱり、ね?」
警察の記者会見をCSテレビで見てニコッと笑った不死蝶のリーダーであった。


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