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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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消えたサーガと白川歩美と協力者-5

若菜は東京刑務所を出るとクジテレビに向かった。ある女性に会う為だ。今日は昼からCSのレギュラー番組の収録があるとの事だ。若菜はその収録が終わる頃を見計らってクジテレビに到着した。

スタジオの外で待つ若菜。収録が終わり出演者が出てくる。その中にお目当の女性はいた。
「あ…」
女性と若菜は仲が良い。普通笑顔を見せ歩み寄るはずだ。しかし冴えない表情を浮かべ立ち止まってしまった。そんな女性に若菜の方から歩み寄る。
「ちょっといいかな?」
女性は俯き3秒くらい沈黙したが、意を決したように顔を上げて答えた。
「…はい。」
2人はエレベーターに乗り展望台に向かう。

エレベーターを降り景色を見ながら2人は並ぶ。
「いい天気で、平和そう、なんだけどなー。この平和の中に平和じゃない部分があるなんて信じらんないよねー。」
「…」
景色を見る若菜の横顔をチラッと見て複雑そうな表情を浮かべたのは小沢有佳…さんちんであった。NFPの時に特殊メイクを担当していたテレビでもメイクの達人としても有名な小沢有佳である。近藤の事件があり顔を変えての捜査の危険性を訴え、若菜がNFPを解散するまで一緒に仕事をしていた中だし食事にも言った。解散後は若菜も忙しくなり会うのは久々だが、有佳には笑顔はなかった。

「きっと若菜さんが私の元を訪れてくる時が絶対に来ると思ってました…。」
その言葉は、有佳が若菜の聞きたい事を包み隠さずに話すという意思表示に思えた。若菜は有佳に顔を向けた。その顔は穏やかであり、尋問するような雰囲気ではなかった。聞いたり尋問するような真似はしたくないから自分で話して欲しいと言う意図が表情から読み取れた。は目線を外しスカイツリーのあった方向を見ながらゆっくりと口を開いた。

「私ね、レイプ被害者なの…。」
有佳はそう切り出した。
「高校生の頃、夜道でいきなり襲われて何人かの男に河原でレイプされた…。犯人は今も分からない。被害届け出してないから捜査も行われてない。泣き寝入りしたの。犯人を捜すより、レイプされた事実を早く忘れたくて、それに荒波立つのが嫌で。私は誰にも言わず自分の心の中にしまいこむ事を選んだ。それからかな…、街を歩くと私をレイプした人らが私に気付いて脅されたりするんじゃないかって怖くなったの。だから私はメイクをして自分の顔からかけ離れた顔になり生活するようになったのがメイクの達人となる所以だったの。」
有佳は遠くを一点にみつめながらゆっくりと言葉を並べた。


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