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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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策士-10

若菜はまず各航空会社に各施設に旅客機を激突させた機長について再度撤退的に捜査するよう指示を出す。その中に真田竜彦が居た可能性、そして近藤が居た可能性を探る。機長ではないかも知れない。客として搭乗し操縦室に入り犯行に及んだのかもしれない。それにどの航空会社も初動捜査においては機長に変わった様子は特に見当たらなかったし、間違いなく本人であったとの調べであった。その事からもますます白川歩美の協力者としてある名前が若菜の頭には思い浮かんだのであった。

加えて旅客機激突については不可解な事があった。どの激突場所からもブラックボックスが見つからなかったのだ。まず普通ではあり得ない事だ。海に沈んでしまったような場合を除きどんな激しい墜落でもほとんどの場合ブラックボックスは回収される。若菜はブラックボックスが破壊したのではなく、白川歩美らによって回収されたのではないかと考えていた。

そして朝の8時半を回った頃であった。浅霞署より連絡が入る。
「ついさっき浅霞市において大規模な爆発が発生しました!場所は草壁町の住宅街の中の並びの4棟です。只今パトカー、消防車が急行しているところです!」
若菜はピンと来た。
「恐らくそこがサーガの隠れ場所ね。証拠隠滅で自ら爆破したか、それとも白川歩美が時限爆弾で爆破したか、どちらかよね。とにかく生存者がいたら逃さぬよう身柄確保をお願いします。」
「了解です!」

現場は騒然としていた。野次馬もかなり集まっていた。かなり激しい爆発だ。黒煙がもくもくと上空に登って行く。まずは消化活動を優先し、炎に向かって放水しているがなかなか鎮火しない。激しく燃えれば燃えるほどに証拠が消えて行くことになる。刑事らはもどかしい気持ちで消化活動を見つめていた。

吉川は引っかかる事がありさとみとホテルに戻った。
「昨夜の事なんですが、我々が到着したほんの少し前にたまたま部屋がキャンセルされたと言ってましたが、そのキャンセルした人の住所とか分かりますか?」
「あ、はい。分かりますよ?あなた様方の隣に宿泊された女性の方なんで。」
「…、名前は?」
「白川歩美様と言う方ですが?」
「白川…歩美…!?じゃあ…」
さとみが目を丸くして驚いた。
「なんかそんな予感がしたんだ…。たまたまキャンセルが出たとか偶然過ぎると思ったんだ。俺達はあの部屋に宿泊するよう白川歩美に仕組まれたんだ…。」
「何の為に?」
「些細な会話の中にでも捜査の件についての情報は入ってますよね?例えば朝3時に出るんだからもう寝なきゃ、とか」
「あ…」
「きっと俺達の会話を盗聴してたんだろう。やられたよ。」
「じゃあ…」
さとみは言葉を止めた。恥ずかしい事をわざわざフロントマンに暴露する事になるからだ。危ない所であった。

「まさか白川歩美がすぐ隣の部屋にいただなんて…。クソッ!」
事実だけ見れば、隣に白川歩美がいると言うのに抱き合っていて見逃したとも取られても仕方ない。もしかしたら自分が余計な事をしたせいかも…、そう思ったさとみに吉川は言った。
「でも昨夜の事は俺は嬉しかったっス。全く後悔してませんから。」
そう言ってもらえたさとみは泣きそうなぐらい嬉しかった。誰もいなければ今すぐ抱かれたい気分になった。

「白川歩美と言う女性は1人で宿泊しましたか?」
「ええ。1人でした。朝の2時半頃にチェックアウトされました。」
「分かりました。ありがとうございます。」
そう言ってホテルを出て若菜にその事を伝えた。
「そう。仕方ないわ?捜査を終わりにして休めと言ったのは私だし、あなた達に落ち度はないわ?それより…さとみちゃんと一緒の部屋だったんだ…。で、ヤッたの??」
「い、いや…そ、それは…」
「あ!ヤッたんだ!やーん♪むしろそっちの報告が聞きたいわぁ♪あとで聞かせてね?」
「…」
その報告だけは憂鬱だ。吉川は深く溜息をついた。
「気を取直して捜査に戻りましょう。白川歩美の足取りを見つけなきゃ。」
「うん。」
さとみは吉川の横を半歩下がって歩いていたのであった。

一気に動き出したテロ事件に警察の動きは慌ただしくなったのであった。


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