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「 罠 (人妻盗撮) 」
【熟女/人妻 官能小説】

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I市議選開幕-1

いよいよ公示日まであと一週間にせまったある日、夫から話があった。
「恵子、お父さんから金を借りられないだろうか。」
「もう駄目よ。先日、選挙資金の300万円を借りたばっかりじゃないの。
父も甲斐署なしの夫だったら離婚して帰って来てもいいんだよって言う位よ。」
「選挙戦が始まれば運動員への日当や選挙カー、ボランティアの昼飯など少し不安なんだ。」
私が会計を務めるのだからあなたは心配しないで選挙に打ち込んで下さい。
それに今年は自宅が事務所だからその分は助かるわ。
今夜の後援会の決起集会も予算10万で抑えたから大丈夫よ。」
公職選挙法では飲食代は出してはならないことになっているがそれを守る人はいない。
でも少しでも資金はプールしておきたいのが人情だ。
恵子が二度目の盗みを働いたのはそんな時だった。
隠し監視カメラははっきりと10万円をバッグに入れる彼女を捉えていた。
一度だけ、しかも3万円なら不起訴になる可能性もある。
二度、しかも13万円なら確実に起訴される。
裁判の行方よりも議員の妻がやったことが問題視されるのだ。
投票結果に大きく作用するのは間違いない。
そんな田中家にも幸運が舞い降りた。
公認候補の一人が病気で倒れ前回と同じく公認が取れたのだ。
翌日、ボールプールで遊ぶ恵美ちゃんと恵子さんを見つけ駆け寄った。
「公認されたんだって。おめでとう。これで当選間違いなしだね。」
でも握った手は冷たく払いのけられた。
「私たちは選挙が終わるまでこんなことではしゃいではいられないの。すべて結果次第よ。」
その夜、そっと13万円を返却する恵子さんの録画が見られた。
誰にも気づかれず13万円を盗み誰にも気づかれない間に元に戻した。
だから初めから何にも無かったのと同じ事だと本人は思っているだろう。
公認候補の妻として甲斐甲斐しく選挙運動に奔走している。
今日も愛娘をママ友二人に預けて大急ぎで選挙事務所に向かった。
盗みという汚点を消し、選挙戦も当選間違いなしになってから彼女の態度はさらにデカくなった。

「松浦さん。あなた子供の教育もまともに出来ないの。美咲ちゃんが可哀想だわ。
お菓子も玩具も独り占めしたら他の子に迷惑でしょ。
母がきっちり教えないとこのまま大人になったらこの子が可哀想だわ。」
松浦美紀も負けてはいない。「分かったわ。その点はきっちり教えるわ。でもお宅のお子さんだって
みんなで仲良く砂遊びしている時でも一人抜けてボールプールへ行くのよ。協調性に欠けるわ。」

それ以後ヤングママ達と田中恵子の対立は表面化し一緒に遊ばなくなった。
田中恵子がいる時は3人のママ達は子供部屋で遊び、いないときは5人のママ達で集っていた。

そして彼女たちの衝突が爆発したのはその翌月の保育参観日の事だった。
その日。田中恵子は当選を祝うママ達に囲まれて有頂天になっていた。
少し遅れて入室してきた松浦美紀を捕まえて「あなた、そのファッションはなによ。
バカンスを楽しむために来たの。回りのお母さんたちと比べてみなさい。
保育参観は神聖な行事よ。服装はフォーマルに決まっているでしょ。」
30代の取り巻き主婦たちもこれに同調した。「若くてきれいだから世の中を舐めているんだわ。」
「そうよ。仲間にあなたのような人がいるのが恥ずかしいわ。」
確かにミニスカートに可愛いヤングファッションは違和感を覚える。
ママ友の一人がそっと教えてくれた。


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