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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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ひとりじゃない-9

薬物中毒…、さとみは初めてそれを目の当たりにして覚醒剤の恐ろしさをまざまざと見せつけられた。使用するとまるで生まれ変わったかのように力が漲り感覚が研ぎ澄まされた気分になるとは聞くが、その反動がこれだ。快楽以上の苦しみが待っているのだ。その苦しみから逃れる為にまた使う…、そうやって人は覚醒剤で廃人となっていくのだと言う事を思い知らされた気分であった。

(吉川君は好き好んで覚醒剤を使った訳じゃないのに…、捜査の為に使ったのに、こんなに苦しまなきゃならないなんて可哀想過ぎる…。助けたい…、彼を…)
さとみはもがき苦しむ吉川を見ながらそう思うと、ひとりでに足が前に出た。そして頭を抱えて立ち上がった吉川の体に抱きついていた。
「大丈夫。大丈夫よっ…!私がついてるから!」
さとみは暴れる吉川の体に振り回されながらも必死で抱きつき訴える。
「うわぁ!や、やめろ…離れてくれ…!」
「誰もあなたを襲わない!私が守ってるから!」
そんなさとみの顔も虫の化け物のような幻覚に見えてしまう。
「く、来るなぁぁ…!」
もはや化け物に対して言っているのかさとみに対して言っているのか全く判別がつかなかった。ますます怯える吉川の動きが止まったのは唇に何か心地良い温もりを感じたからであった。
「えっ…」
目を開けた瞬間、壁には無数の虫が見えるがわ目の前には化け物はいなかった。目を閉じ唇を重ねているさとみの顔が見えた。吉川の体がピタリと動きを止めた。

さとみはゆっくりと唇を離し、吉川を見つめる。
「私が守ってあげる。一人で悩まないで?一人で苦しまないで…?一緒に戦ってあげる。あなたは1人じゃない…。私が悪夢から覚ましてあげる…。」
さとみは吉川をベッドの上にゆっくりと寝かした。そして体に巻いていたバスタオルをヒラッと外し床に落とす。
「えっ…?」
驚いた吉川の体に体を覆い被せ、再びキスしながら吉川のバスローブを脱がした。

さとみはキスしたまま体を密着させ吉川の肌に自分の肌をおしつけるかのように体を揺らす。さとみの体から伝わる温もりと、優しく包み込むような柔らかい肌が吉川に心地よさを感じさせる。まだ頭が割れんばかりに痛い。幻聴も聞こえる。しかしベッドの周りにまるで結界が張られたかのように虫達はベッドの外で蠢き、決してベッドには登って来なかった。不思議な光景であった。今にも遅いかからんばかりの虫達に取り囲まれながら2人きりのベッドの上、オアシスに辿り着いたかのような感覚を感じたのであった。


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