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夢姫伝説
【SF 官能小説】

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第5話-1

逃げ出したリンが戻って来る時は、ミヤギの腕に抱きついていた。それを見たカオルは、2人から恋人の様な雰囲気を感じた。

「随分仲良しになったじゃないの…」
「彼のプレイに心を奪われちゃったの私、フフ…」

ベッタリくっついている2人を見てカオルは不愉快な感情しか込み上げて来なく、不機嫌そうに研究室を出て行く。

「悪いけど…私は、これで失礼するわね」
「ちょ…ちょっと、何処へ行くんだよ」
「私も、仕事があるので…後は貴方達でやれば良いでしょ?」
「そうよ、私達だけでやりましょう」

リンが後ろから言う。

「じゃあね」

カオルが立ち去って行くの見てミヤギは追い掛けようとするが…リンが引き止める。

「良いじゃない、年増の事なんて気にしなくても…」
「おまえな…」

ミヤギが怒ろうとした瞬間だった。リンのあどけない顔…自分だけを見つめる潤んだ瞳を見て、それまでの感情が消える。

「私じゃ…貴方の役不足なの?」
「そうは言わないが…」
「貴方の命令なら、私は何でもするわ。この場で裸になれと言えば裸になるわ」

そう言ってリンはキャミソールを脱ぎ、ショーツだけの姿になる。

「おい、そこまでしろとは言ってない」
「私の本気を知って欲しかったの…」
「お前には、もっと大事な仕事がある。だから…その為にもチームが必要なんだ」
「チーム?」
「そう、その為のメンバーが必要なんだ。とりわけリンには大事な仕事をしてもらうけど…」

2人が話をしていると、オオタが研究室に戻って来た。

「おお…リンが戻って来たか」
「あ、ハイ」

ミヤギはキャミソールを拾って、リンに着る様に命じる。

「カオルが抜け出してしまって、メンバーを揃えたいのですが…使える人材の確保をお願い出来ますか?」
「その辺は任せてくれ、優秀な人材を呼び集めよう」
「恩に着ます」
「時にリンちゃんは、研究室に残るの?」
「私は常に彼と一緒よ」

リンはミヤギ腕に抱きつく。

「こんな状態です」
「成る程…では、登録を済ませてから、君に送ろう」
「ありがとう博士」

リンは嬉しそうに言う。


2体のアンドロイド、ジュリとリンは互いを見ていた。とりわけ最初に動き出したのはリンの方であった。

「お姉ちゃんは、何時もこんな場所にいるのね…何か趣味悪そうよ」
「失礼…私は、貴女の姉でも無いし、趣味に口出される筋合いも無いのだけど…」
「あ…申し遅れてたわね。私、元タナカ・コーポレーションのミヤギと言う人の恋人で、リンと言うわ」
「成る程ね…貴女がアンドロイドでありながら、素性が読み取れないのは、貴女に搭載されているシステムが高性能だからね…ちなみに、ミヤギの恋人なんてちょっと趣味悪そうね」
「あら…オタクっぽい人と一緒にいる方が趣味悪そうよ、私の恋人は最高な人よ」
「私の恋人は、私を拾ってくれた大切な人よ、貴女に口出される筋合いは無くてよ。あんなのが良い人なんて、貴女の出会いの不幸さに同情するわ」
「あらそうかしら?彼はとても良い人よ、私は彼の最高のテクニックに心を奪われたわ…一般人じゃ、多分無理かもしれないプレイだわ。私は毎夜ベットに入るのが楽しみよ」
「性行為は互いの愛があって初めて成立するものよ、一方的な行為は結局は自己満足でしか無いわよ」
「経験数が少ない者って、結局そうやって言い訳ばかりするのよね。お姉ちゃんってもしかして…アソコに液が溜まっているのじゃないの?それとも自分で処理ばかりの毎日だったりして…」

ムシを使って2体のアンドロイドに最接近して2人の会話の内容を聞いていたミヤギの表情が曇っていた。
「アンドロイドでも、女同士の喧嘩は怖いな…」

「それにしも、こんな本ばかり読んで面白いわけ?」
「温故知新(おんこちしん)て言う言葉しらないの?」
「さあね…私は、そんなに難しい事しらないわ」

それを聞いたジュリがクスっと笑いながら言う。

「高性能なのに、そのシステムを活かされないなんて、宝の持ち腐れね。今直ぐに研究所に戻ってスペックを入れ替えて貰ったら?」

その言葉にリンは、ジュリに対して激しい怒りを覚える。

市街地中心部にある純白の建物…市立図書館。電子ペーパーが一般化され、ホログラムディスプレイが利用される時代になっても、紙で作られた本を愛用する人は絶える事は無かった。その日は、図書館周辺をハチの様な物が数十匹程、飛び回り続けている。開発者の間では『ムシ』と呼ばれる物であった。ムシは、図書館周辺をくまなく飛び続けている。
ムシを操作しているのは、図書館から少し離れた場所に停車してあるワンボックスカーの車内からの、複雑な機能を搭載したモニターから現場付近を監視している数名のオペレーター達である。

「ミヤギさん、リンちゃんが興奮して来てますよ」
「分かった、何かあったら俺がリンに呼びかけをする。皆は周囲の状況を確認してくれ」

ミヤギは、そう言って2人が接近している現場の画像を見続ける。

2体の互いを見続けるアンドロイド。一方は身長140cm弱…、金髪のショートヘア、あどけない顔立ちで、胸の膨らみは無く、誰が見ても幼児体型…、お世辞でも大人っぽさなどは感じられない。それでもスタイルは整っていてスラリとした容姿が可愛いらしさを強調している。
もう一方は身長150cm程で、長い黒髪を垂らし、凛とした顔立ち、柔らかそうな白い肌…身長の割には、胸の膨らみは其れ程大きくは無い、頑張れば谷間が作れる程である。そんな胸の膨らみさえも有り余す程に見受けられる華奢な身体、美しいルックス、容姿端麗(ようしたんれい)さとしなやかさは、見る者の目を奪う程で…大人とも少女とも見られる姿には、神秘的な魅力が溢れていた。


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