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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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ニューリーダー-7

「お、覚えてたのか…?」
信じられないと言った表情で若菜を見つめた。
「覚えていたと言うか、思い出したんです。署長が私を見る目って、どこかお父さんやお母さんの目と同じような印象です。昔を思い出し、あんな小さな子がこんなになって…的な目。温かさを感じる目…、そんな目で見て来る方はたいてい私と面識のある人が多いんです。署長の目に私は懐かしさを感じました。きっと小さな頃に私は会った事がある人じゃないかと思いました。私は不謹慎ながらも、破壊されたのが東京タワーでなくて良かった…、そう思ってしまいました。小さな頃大好きだった東京タワー。私は父ではない誰かに良く肩車をして貰いました。東京に行けば東京タワーのおじちゃんに肩車をして貰える…。それが楽しみで。そんな思い出を思い出した時、ってかほんのさっきです。東京タワーのおじちゃんは署長だったんじゃないかって。」
中居にもあの頃の記憶が蘇る。胸が熱くなる。あの懐っこい女の子が今や自分を越え警視総監にまで登りつめたのだ。本当に自分の娘の様に嬉しかった。しかし自分と若菜に面識があると言うのは伏せておこうと思っていたが、若菜の目は騙せなかったようだ。気を許すと涙を流してしまいそうになってしまった。
「久しぶり!東京タワーのおじちゃん!」
「フフフ、久しぶり、若菜ちゃん。」
2人の時間があの頃に戻る。警察と言う立場を忘れかけがいのない温もりに2人は浸っていた。

そこまで洞察力に優れ、鋭い若菜だ。中居は正芳の事を聞かれるのではないかと内心ヒヤヒヤしていた。しかしそんな中居の気持ちも若菜は鋭く読んでしまう。
「署長、私は父に大きな疑問を抱いてます…。」
「…(来たか…)」
中居に緊張が走る。若菜の知る父親は若菜の知る父親以外の姿を持っていたからだ。それを知る事が本当に若菜の為になるのかどうか分からなかった為、中居は悩んだ。しかしそんな気持ちも若菜は察していた。
「私、お父さんがただの地方の刑事であったとは思えません。きっと私の知らないお父さんがいると思ってます。私は小さな頃から私達家族を監視する気配をずっと感じていました。見知らぬ人が常に私達を見ている事に気付いていました。初めは怖かった。私達を殺す隙を狙っているんじゃないかって。でもそのうちそうでない事に気付きました。きっとあの人達は私達を守ってくれてるんだって。だって殺すつもりならいくらでもそのチャンスはありましたもん。でも彼らは私達に近付いても来なかった。距離を置いて見ているだけだった。初めは怖かった視線も、そう思うと温かく感じるようになりました。彼らは私達を守ってくれてるんだ、と。だから私は父にも母にもそれを相談しませんでした。何となく父も母も彼らの事を知っているような気がしたから。」
その言葉に中居は驚愕すら覚えた。
(な、なんと…!!)
そんな事に気付く子供はまずいない。あんな幼く無邪気な子供がそんな事を感じていた事に驚きを隠せなかった。


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