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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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ニューリーダー-5

時間は既に夜の21時を過ぎていた。しかし日本の犯罪史上最悪の事件の渦中だ。警察に眠る時間はなかった。航空会社の社員にも残らせテロ実行犯である4人の機長についてを徹底的に洗い出していた。

若菜は萬岸署に残り中居と捜査の打ち合わせをしている。
「スカイツリーへの突撃は、TERRO STATEDと言うテロップが流れた後に起きた事。そのテロップは旅客機を使いテロを起こそうとして、まるで合図のように画面に現れた。テロップを流した誰かと旅客機テロを企てた誰かは同じ側の者だと考えるのが自然ですね。」
若菜がボールペンを指でクルクル回しながらそう言った。
「となるとやはりサーガとはまた別のグループが存在すると?」
中居は警察の誰もが全てサーガの仕組んだ計画だと考えていた中で、違う可能性を考えた若菜の感性に感心していた。
「まだ分かりません。我々を混乱させる為に実はサーガが考えた計画の一つかも知れませんし。しかしサーガの計画を阻止しようとしている存在があるなら、一体それは何なんだと考えると…」
そこで若菜はチラッと中居を見た。
「目星がついているようだな?」
「あくまで可能性の一つですが、もともと反乱を企てている事に薄々気付いていた人物…、外れた道を正し真っ直ぐに進もうとしている人物が、再び過激派思想を掲げて道を外そうとしているサーガを邪魔な存在として考えている者…」
「フレアの、下條高志か?」
「はい。彼は本当に地下鉄サリン事件で悪名を轟かせてしまったノームをまっとうな道に戻そうとしているのは間違いありません。フレアと名を変えて弱き人々の為の拠り所にしようとしているのは間違いないでしょう。しかし彼は正しすぎる。完璧な正義感を持ってる。そこがどうも彼を信じきれない部分ではあります。それに元教祖の深野浄京も何を考えているのか分かりません。不思議な力を持ち、確かにカリスマ性はあります。私も元に彼に接して不思議な力を授かりましたし。ただ人間なんて完璧な正義を持つ者などいないんです。必ずどこかに悪の魂を持っているものです。世の中の正義感溢れる者と言うのは悪の魂を理性で抑えきれる人の事を言うのだと思います。場合によって理性が悪を抑えられなくなる…、田口事件の私のように。しかし彼らは完璧過ぎる程の正義感を露わにしている。聞いてる限りは本当に立派な人間です。それが怖いし信用できない。だって人間らしくないのですもの。人間から喜怒哀楽の怒を抜く事は絶対に不可能です。怒を押さえつければ必ず憎しみが増していく。私が思うに彼らは憎しみに溢れている人間なんだと思ってます。」
「なるほど。」
中居に取って若菜の観点は非常に興味深いものであったし、また昔似たような刑事がいた。聞いていて心地よさを感じるのであった。


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