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人類ポニーガール化計画
【調教 官能小説】

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第8話『売春メッセージ』-7

『24歳で、10歳年上の男性と婚約しました。 優しくて、頼もしくて、私が少しでも気に入らないことがあると、何故か全部察知して先回りしてご機嫌をとってくれる、出来過ぎなくらい気のつく人でした。 今から思えば、あんな素敵な人が私なんかを相手にしてくれるわけがないです。 でも、当時は自分が見えてなかったから、『私ってば愛されてるなぁ』みたいに、自分が大切にされるのが当然だと思ってました。 で、彼は結婚式前日に失踪です。 式の費用は半分ずつだす約束だったから、ずっと貯金してきた全額2万ユーロを彼に預けていたんですが、彼はビタ1文も支払ってませんでした……結婚詐欺のお決まりですよね、2万ユーロ持ち逃げされちゃったわけです。 でも、それだけじゃありません。 結局式をキャンセルしたり、彼名義で購入していたマンションの手付金を解約したりで、貯金全部を使い果たしたところに借金が4万ユーロ上乗せされちゃって……こんなのがバレたら生きていけませんよね。 だから、こっそり風俗嬢になりました。 『レッドライト』で稼げるほど自分に自信がなかったから、親バレ対策を完備していたデリバリーに登録して。 借金は1年半で完済できました。 ただ、借金がなくなっても、私は風俗嬢を辞めませんでした。 仕事の息抜きに通い始めた『ホストクラブ』のせいです。 クラブに通うには、どうしたってお金が要ります。 特に贔屓がいるわけでもなく、そんなに豪遊するわけじゃないんですけど、それでもホストはホストです。 月1でクラブで遊ぶとして、会社勤めだけじゃ、とてもじゃないですが首が回ってくれません。 私がいつも指名していたのは、クラブのナンバーワンみたいに華々しい人じゃなくて、どちらかというと地味で気が利かない、陰に籠るタイプでした。 結婚詐欺のトラウマで、カッコいい人はどうしても好きになれません。 だからこそ『不幸オーラ』が漂う彼には何でも喋れて、気が許せたんだと思います。 心がしんどくなってきたら彼の元にいって、いつも指名待ちな彼を呼び、ちょっぴり散財してスッキリする――私の月一の贅沢でした。 いつ頃までが『ただの贅沢』で、いつから『恋愛感情』になったかは、自分でもよくわかりません。 けれど、彼にあって2年が経って……風俗に足を入れてからだと4年目でしょうか、その頃になると彼は私の『特別』になっていたんです。 そんな彼の口癖が『ナンバーワンになりたい。 たった1度でもこの世界でナンバーワンになれたなら、俺はまっとうな社会で1番になれる。 ナンバーワンになったらホストを辞める』でした。 その後には必ず『俺がホストを辞めたら、一緒に暮らしてくれよ』と、私をジッと見つめるんですよ。 私的には、彼がホストを続けようと辞めようと、どっちでもよかったんですけど……『彼と一緒に暮らせる』ことを考えるうちに、その気にさせられちゃったんですね。 私は、それまでなんとか続けていた昼の仕事を辞めて、風俗一本に専念しました。 年季が過ぎて単価が落ちてきたから、お金を溜めようと思うと、数をこなすしかなかったんです。 で、朝番、昼に仮眠をとってからの夕番、更に遅番と、お客さんをとりまくりました。 そうやって1年かけて溜めた額が15万ユーロです。 翌月の最終日、久しぶりにクラブに顔を出しました。 彼から事前に月の売り上げランキングを聞いていて、当時ナンバーワンだったホストの売り上げは約10万ユーロです。 これだったら絶対イける……貯金を全部下ろしてバッグに詰め、抱えるようにして彼を指名しました。 その日のことはよく覚えていませんが、とにかく使って使って使いまくって、結局全部散財しちゃいました。 あ、有頂天になった彼が人目もはばからず私にキスしまくってきたことと、泣きながら土下座されちゃったこと、あとはナンバーワンの呆気にとられた顔は覚えています。 で、私の力で、彼は見事ナンバーワンになりました。 次の週、私は彼と『いつから一緒に暮らすか』を相談するため、クラブに行きました。 ところが、彼はお店を辞めていたんです。 意味が解りませんよね? 私も最初は悪い冗談だと思いました。 けれど、お店が彼からの手紙を預かっていて。 震えながら封を切りました。 そこには色々、思い出とか感謝とかが書いてありましたけど、本筋じゃないから省略します。 大事なことは手紙の最後にありました。 『風俗する汚い女とは結婚できない』……読んだ瞬間、その場で立っていられませんでした。 だって……それってあんまりじゃないですか。 自分だってホストのくせに、こんな一生懸命頑張った私を、よりによって『汚い』なんて……そりゃ、綺麗だなんてお世辞にもいってもらえませんけど……それでも頭が真っ白になりました。 私は彼とは一切連絡をとっていません。 興信所に依頼すれば会えそうな気もしますけど、今更会ったところで未練はないです』 


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