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人類ポニーガール化計画
【調教 官能小説】

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第7話『市内の車窓から』-1


9月○日。

 セントラルパークの軍施設では、施設の外で待たされている軍馬を見かける。 基本的にジッとしていて、あたしが近づいても特に反応してくれない。 軍馬に民間人が触るのはご法度だけれど、見る分には規制がないから、時々間近に寄って観察するのだが、色々面白いことに気づかされる。 最近気づいたのは、軍馬は感情がないように見えるけれど、実は仕草で感情を表していることだ。

 例えば『イヤーカップ』。 軍馬の耳に直接被さっている『イヤーカップ』は、軍馬が耳を動かすと、当然一緒にパタパタ動く。 普段は軍馬の『イヤーカップ』は立っているが、疲れた時や鞭をたくさん貰ったときは、軍馬の耳がピタリと後ろに倒れるのだ。 俗に『耳をしぼる』といって、軍馬に許可された数少ない感情表現らしい。 耳をしぼっているのは『余裕がない』『一生懸命やっている』証拠で、騎兵に自分が切羽詰まっていることを伝えるために、軍馬になった女性はまず自力で『耳を倒す』訓練から始めるらしい。 顔を擦りつける仕草を見たこともある。 ずっと外で待たされていた軍馬の元に騎兵がやってきたとき、軍馬はハミを噛んだまま目を細め、鼻フックで拡張された鼻づらを擦り寄せていた。 信頼している人に甘える時の定番らしい。 あとは、脇を締めて胸の前にチョコンと折った両手でもって、空中を掻く仕草があった。 『前がき』といって、お腹が空いて餌が欲しいことをアピールしている、というようなことを教えて貰った。 他にはあたしとヨアンが軍馬の傍をグルグル回っていると、普段は全然相手にならない軍馬が、耳をしぼってハミ越しに歯を剝きだしにして、シューシュー息を噴いたことがある。 あれはおそらく、あたし達にイライラして威嚇してたに違いない。 軍馬が『嘶(いなな)く』のも、最近始めて耳にした。 高い声で『嘶く』のは、嬉しいときや気分が良いときだという。 鳴き声は、よくある『ヒヒーン』や『ブルルルッ』ではなく、一声高らかに『おまぁーんこぉー』だ。 ハミを咥えているせいで、滑舌は決してよくなかったけれど、あたしにはハッキリ『おまんこ』と聞こえた。 ちなみに軍馬に許された鳴き声は『おまんこ』だけ。 『はい』『いいえ』『ありがとう』『やめてください』など、あらゆる意思表示を動作と『おまんこ』の嘶きで表現できるよう、軍馬は徹底的に訓練されているそうだ。 軍馬の調教施設に通ううちに、施設の軍人さんとも仲良くなれたから、今ではこちらから尋ねなくても色んなことを教えてくれるようになった。 ちなみに、『軍馬』に『おまんこ』の一言で様々な感情を表す訓練があると同時に、騎兵にも軍馬の意図が正確に汲めるようトレーニングがあるそうで……。 なんというか、たかがヒトを背負って走り回るだけというのに、『軍馬』は知れば知るほど奥が深い存在だと思う。 

 午後、『生活』の時間に見た『2ch』について。 占領されてから列車に乗ったことがなかったから『女性専用車両』について特集している番組は新鮮だった。 あんな風にして列車に乗らなきゃいけないなら、あたしだったら歩いて移動する。 その方が健康的だし、なにより経済的でもある。 それか、誰がなんと言おうと、意地でも一般車両に乗ればいい。 どちらにしても『女性専用車両』に乗るなんて真っ平御免だ。 

 今日の新しい法律について。 『慰安婦改悛法』といって、過去に『性産業』に従事していた者が対象になる。ほんの僅かでも『性産業』に従事していたものは、自分から『保健所』に名乗出て、身体を改めて洗い清める。 それから自分が犯した過ちを反省し、二度と春をひさぐ振舞いはしないことを誓わなくちゃならなくなった。 今更だけど、占領されてからこのかた、『遡及法の原則的禁止』、つまり『法律制定時以前に遡っての処罰を禁止する』という法律の大原則なんてどこ吹く風だ。 あたし達が暮らす街が法治国家でないことを実感する。 





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