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夢姫伝説
【SF 官能小説】

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第3話-1

街角にあるコンビニ。レジの前に立ち、笑顔で「いらっしゃいませ」と、来店する客に対して軽く一礼し接客の態度を見せる女性の姿があった。その女性はアンドロイドであった。数ヶ月前…深夜のその店に強盗が入って来た。強盗は刃物を突きつけて、レジにいるアンドロイドに金を要求したが…、彼女は怯む様子も無く相手の要求を無視した。苛立った強盗が刃物で女性を刺そうとする瞬間、女性は片手で強盗を掴み上げて、店の外へと投げ飛ばした。この時強盗は腕の骨を折る程の怪我を負ったと言う。
この事件以降コンビニのレジはアンドロイドにする店が増加し始めたと言う…。
店のドアが開きカップルが店内に入って来て、女性アンドロイドは「いらっしゃいませ」と、軽く頭を下げる。その時、入って来た女性の姿を識別すると、相手が生身の者でない事に気付く。
相手も自分を感知するセンサーに反応し、同伴の男性に縋り寄る。

「シン…」

「どうしたんだジュリ?」

「あの人…、私を見ている…」

ジュリは、怖そうにレジの店員を指して言う。

「ああ…、あれはアンドロイドだよ。君を見て不思議そうに感じたのだろう」
シンは何気ない雰囲気で答える。

2人は買い物カゴをレジに持って行く。
会計を済ませる時に、レジにいたアンドロイドが2人に話しかける。

「そちらの女性の方、識別信号が認識できませんが…登録は済ませてあるのですか?」

「いや…まだ届いたばかりで…、これから手続きを行う予定なんだ…」

「そうですか…なら、今ここで済ませましょう。貴女…型式番号を教えて下さい」

アンドロイドは、目の前に立体キーボードを映し出して言う。

「XM13J・GC2000ータイプRS。ルナ・リスファー、シリーズ0031番よ」

凄まじい勢いでアンドロイドはキーボードを打つ。そして直ぐに
「未登録の型式ね…プロトタイプかしら?情報が確認出来ないわね…。製造元に連絡を取り、公式的に手続きして下さい。もし…面倒なら私が直接連絡しますが…。ちなみにそちらのプロトタイプの購入額以外での税金、保険料等全ての費用を換算すると約1億6000万円以上と予想して頂ければ宜しいのですが…勿論余った分は返金致します」

「うわ…、そんなにするの…」

「オートローンを組みますか?」

彼等の話を聞いたジュリは、相手が余計な事をされては困ると、判断してアンドロイドの手に、自分の手を重ねた。

「必要ない事はしないでくれる?」

ジュリは、そう言うとアンドロイドの体内に電気信号を送った。その電気信号を受けたアンドロイドは素早く瞼を動かし、数分前の状態へと戻る。そして何事も無かったかの様に「いらっしゃいませ」と、軽く一礼する。

話が途中で途絶されたのを見たシンは、不思議そうな表情で声を掛ける。

「あ…あの…?お支払いの話は?」

「え…何の事でしょうか?」

「この女の子の事ですよ」
シンはジュリを目の前に出す。

「あら、可愛い子ですね〜。彼女さんですか?」
記憶が消えている!シンは驚いた。

「ねえ、もう行きましょう」

ジュリはシンの手を引っ張って、店の外へと出て行く。

「セキュリティのブロックが、意外に固かったわね」

「何か言った?」

「なんでも無いわ」
ジュリは首を横に振る。

(さすがに裸踊りまでは無理か…)とジュリは思った。

コンビニの前にあるバス停に2人は向かった。その後を追う様にして、コンビニの駐車場に白色のクーペスタイルの車が入って行く。車の中から男性が出て来てバス停にいるカップルの姿を眺めながら、コンビニへと入って行く。
彼はコンビニでガムを買う。
レジでWBをクレジットコードに当てて購入を済ませると、彼はレジの店員を見て話し掛ける。

「先程店に入って来たカップルは、どんな感じだった?」

「とても仲の良い2人でしたわ」

「そう…何か不振な点とかは、見られなかったかな?」

「不振な点は有りませんでしたね。むしろ貴方の方が、どうか…と思われます。その懐に入っている物なんか、特に怪しいですね」

そう言われてミヤギは、スーツの胸の内側に隠し持っている小型の光線銃に手を当る。

「こ…これは、護身用なんだ」

「いいえ、危険です」

女性アンドロイドは、そう言ってレジ飛び出して来て、すかさず彼の股間に手を当てる。 

「こんなに大きな物をぶら下げるなんて、いけませんね…。私がゆっくりと貴方を調教させてあげますわ」

「こ…こら!何を言っているんだ!」

店内で大きな声が聞こえたと思うと、大慌てで店長が店の中から飛び出して来た。

「おい!ミキ何をしているんだ。止めなさい!」

「店長〜、私…彼の事が気にいっちゃったの〜」

ミキと言われたアンドロイドは、ミヤギを抱きしめて。彼の股間をゆっくり撫で回し続ける。

「一緒に楽しい時間を作りましょうね…ア・ナ・タ。フフ…」

「た…助けてくれー!」

 
バスを待っていたシンとジュリは、コンビニの店内が少し騒がしそうになっている事に気付く。

「何か…コンビニの店内が賑やかだね」

「あのアンドロイドが、何か始めたのかしら?」

ジュリは、クスッと軽く笑みを浮かべた。
バスが到着すると2人はバスへと乗り込む。バスの車内に入ると2人は直ぐ手前の座席に腰掛ける。ジュリは座席に取り付けてあるモニター画面を見ると、そのモニターに手を当てる。

(こちらの行動が読まれている…と、言う事は…既に組織的に準備が整えられている可能性が考えられるわね…、少し社内の様子を覗いて見る必要がありそうね…)


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