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愛してみたい
【理想の恋愛 恋愛小説】

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愛してみたい-2

『おはようございます。美斗様…』若田蹴は朝、美斗を起こすという仕事を持っている。『若田蹴…』美斗は自分の顔を若田蹴に見せず、背を向けていた。『どうしたのですか?美斗様。昨日の戦いのことならば、体をお清めにいきますか?』
美斗は答えなかった。昨日の戦いで敵の大将を殺したことが今でも嫌ということではない。ただ美斗は…。『若田蹴、あなたは愛することを許されているだろう。そなたは愛する者はいるのか?』美斗はその問いの答えがとても気になった。何故かは分からないが…。若田蹴は何故そんな質問をするかを心の中でビックリしたが、美斗様が質問されたのだから、素直に答えようとして『…はい。お慕いしてる方はいます。しかし…叶う恋ではありません。』美斗は顔を若田蹴に見せた。美斗は若田蹴と自分は同じような人間と察知した。『お慕いということは、その者は、お前より身分が高い者なのね。』安土桃山時代は、身分の低い者は高い者を愛することは許されず、逆に高い者が低い者を愛されることは許されなかった。『はい、そうなのです。』『協力したいな。あなたが慕っている人と同じ身分にしてあげる。その者の名前を教えなさい。』若田蹴は美斗様の行動にビックリした。両思いになれるチャンスだ…。…でもわらは…。『どうしたの。若田蹴。』『…いいです。わらは。両思いなど、望んでいません。慕っている気持ちがあれば、それで良いのです。これからも、美斗様の近くで働かせて頂きます。』『そう…。よかった………。』『よかったといいますと?』美斗は顔を赤らめて、『な・なんでもないわ!』私ったらぁ…何本心を口に出してるのよ。でも…良かった。若田蹴はお兄様存在だからかなぁ?…まぁいっか。『でも若田蹴の慕っている人は教えなさいよ。』『嫌ですよww』『では予想ね!うーんと…、美人系だと、大臣の娘、由利?』『違いますよw』『…いいな。若田蹴は人を好きになることができて。私は、許されていないものね。いずれ違う国の王が結婚を申し込みに来て、私はこの国から離れるわ……』『…では美斗様は、お好きな人がいるのですか?』『い・いるに決まってるじゃない!私はずっと…』言い過ぎたと思って口に手を当てた。『美斗様のお好きな人は誰なのですか?w』
『王に逆らってはいけないのよ?!』『逆らってはいませんよ。で、どこのどなたw???』『貴方こそ!』『美斗様のお好きな人を教えていただかないと、教えません。ww』『酷いわよ!若田蹴ぅ〜。私は何故こんな人が好きになったのかしら!?…ぁ』しゃべっちゃった。うわーん。恥ずかしすぎて、顔から火が出そう!!『美斗様、約束ですね。若田蹴のお慕いしてる人は…』若田蹴が美斗の腕をひっぱり、優しくキスをした。『っ…』美斗は無理矢理顔を離した。『若田蹴!な…』『美斗様が好きだからです。ずっとずっと慕っておりました。』『…私達は身分の差があるのよ。本当だったら、好きになってはいけないのよ。ばれたら、あなたが殺されてしまうわ。』『いいですよ。美斗様の恋人としてそばにいられるのなら。』『…若田蹴』今度は美斗からキスをした。永遠の愛を誓うキスを……。

第一部完


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