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黒い訪問者 シーサイド・ブルー
【熟女/人妻 官能小説】

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黒い訪問者 シーサイド・ブルー-2

「ありがとう。今度の日曜に家に来てくれ」
「家って自由が丘のほうか?」
「いや、江の島のほうだ」
「江の島?・・・断る」
「いいと言ったじゃないか?」
「江の島以外なら」
藤本は下を向いた。
「まだ過去を消せてないのか?」
藤本にとって江の島がどういう場所か大黒にはわかっていた。藤本が病床の妻と最後に暮らした地なのだ。
「もう何年だっけ?もういいじゃないか」
「江の島は断る」
藤本は厳しい視線で大黒を見た。
「妻が自由が丘は前妻がいた家だから嫌だと言って近寄らないんだ」
「わかった。その代わりこれを最後に俺をあんたから自由にさせろ」
「わかった、約束する」
 
海は穏やかでどこまでも青かった。江の島もくっきり見える。日曜の昼下がりマンション5階の一室。大黒はベッドから立ち上がり窓の外を見ながらタバコに火をつけた。白い髪を?きむしる。ベッドには妻佳代が横たわっている。40歳。まだまだ綺麗なすべすべの肌をしている。その小麦色の背中を大黒は指でなぞった。
「くすぐったいわ」
佳代は笑った。
「なあ・・・」
「何?」
「あのさ・・・」
大黒はまだ今日藤本が来ることを話していなかった。
「お腹減ったの?」
「ああ」
「じゃ何か作るよ」
佳代はベッドから立ち上がるとパンティをはいてブラジャーをつけた。ジャージのズボンをはいてセーターを着てキッチンに向かった。このマンションの間取りは寝室、リビング、キッチンの1LDKだ。
「佳代は子供欲しくないのか?」
「その話はもういいって。私も40だしね。いらないよ」
大黒にはわかっていた。佳代の目的は大黒の金と権力だけなのだ。しばらくして青のりのいい匂いがしてきた。

「あんた?どうしたの?」
「え?」
「焼きそば冷めちゃうよ」
「あ、そうか」
テーブルにガウンのままぽつんと座った大黒の前に佳代が作った焼きそばが置いてあった。
「いたただきます・・・」
大黒は力なく言うと焼きそばをすすった。
「どう?」
「佳代の作る物は何でもうまいよ」
キャベツ、ソーセージ、ピーマン、玉ねぎ、ソースたっぷりの焼きそばをほおばる。そして缶ビールを流し込んだ。
「あんたさ、次の選挙はどうするの?」
「選挙か・・・」
「だって解散近いんでしょ?」
「マスコミが言ってるだけだ。総理の考えてることは全く分からない」
「ねえ、総裁選とかは出る気ないの?」
「わしをいくつだと思ってるんだ?」
「まだ平気よ。総理目指してよ」
「なって欲しいのか?」
「当たり前よ」
恐ろしい女だ。普通は体を心配して引退を進めるんじゃないのか。
「実は今日、一人呼んでいるんだ」
「誰?幹事長?」
「こら、政治の話はやめろ。来るのは藤本だ」
「藤本さんって・・・あの色黒の?」
「ああ。おまえ、あいつどう思う?」
「どうって?一度しか会ったことないからよくわからないな。何か冷たい感じがする。目つきもいやらしいし」
「男としてどうだ?」
「女を守ってくれる感じはする」
「そうか」
大黒は皿に残ってた焼きそばを一気に口に入れた。
「私出かけようか?大事な話あるんでしょ?国家機密とか」
「いや、いて構わないよ。お茶でも出してやってくれ」
「そう・・・わかった」
「それに奴はおまえの大ファンだ。女優時代のおまえの作品をほとんど見てるらしいぞ」
「そうなの?」
「とにかくいてくれ。奴も喜ぶ」
「じゃ私がヌードになった作品も見てるの?」
「ああ、綺麗だなとか言ってたぞ」
「何か、恥ずかしいなあ」
佳代は照れ笑いをした。


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