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黒い訪問者 シーサイド・ブルー
【熟女/人妻 官能小説】

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黒い訪問者 シーサイド・ブルー-1

 六本木交差点を渡り芋洗い坂を下りたところに黒いワゴンは止まっていた。深夜になり北風は一段と強くなった。吐く息も白い。藤本はコートの襟を立て足早に車に近づきドアを叩いた。すぐにドアは開き二列目に大黒、運転席には秘書の長谷川がいた。
「悪いな、夜遅くに」
大黒は白髪頭の73歳。軽く右手をあげた。藤本は50歳。車に乗り込みドアを閉めた。
「今度は誰だ?」
藤本は子供が欲しくてもできない女性に種付けをして、国家の出生率をアップさせるという少子化対策秘密プロジェクトのメンバーだ。もう厚労省だけでは少子化を改善させることができないほど、この国の未来は深刻なのだ。
「それより、おまえその顔のあざはどうした?」
「昨日やった女の夫と帰りに玄関で鉢合わせで一発殴られたんだ」
大黒はにやっとした。
「人の不幸を笑うな」
「でもおかしいな。旅行中という情報だったが・・・それでおまえの正体はばれたのか?」
「いや、逃げきったから大丈夫だ」
藤本は殴られた左頬を手で押さえた。
「これは昨日の分だ」
藤本は大黒から報酬を受け取った。
「今度は誰を?できればもうこの仕事やめたいんだ」
「殴られたからか?」
「いや、関係ない。俺ももう50だ。この仕事はもっと若くてイケメンがお似合いだ。俺は賞味期限だ」
「そんなことないぞ。おまえはまだまだやれる」
藤本は黙ったまま窓の外を見た。この街は夜のほうが活気がある。そしていろんな国籍の人間が行きかう街だ。
「今度のターゲットは重要なんだ」
大黒は話を続けた。
「誰だ?いつかのように政治家はやだぞ」
「政治家ではない。元女優だ」
大黒はタバコに火をつけた。
「一般人にしろっていつも言ってるだろ」
「ああ。元女優だ。だから今は一般人だ」
藤本はしばらく黙っていたが納得して首を縦に振った。
「夫は大丈夫だろうな?また殴られるのはごめんだ」
「ああ。ターゲットの夫は君を大歓迎するだろう」
大黒は笑みを浮かべた。
「何でそんなことがわかるんだ?」
「その夫とは・・・私だからだ」
大黒は自分を指指した。
「え?」
「私の妻をやってくれ」
「まじか?・・・」
藤本は驚きを隠せなかった。
「あの本城エリー(本名佳代)?」
「妻の作品は見たことあるのか?」
「確か一本だけだ。『メスの極みスケベ』だったと思う」
「そんな作品あったのか?夫の私が知らないとは・・・」
「それより、あんたにそんな趣味があったのか?」
「趣味?」
「ああ。俺と奥さんがやっているのを覗き見して興奮したいんだろ?」
「誤解せんでくれ、そうじゃない」
「じゃ何故?」
大黒は吸っていたタバコをコーヒーの空き缶に落とすと次の一本に火をつけた。
「子供が欲しいんだ」
「それなら自分で作ればいいじゃないか?」
「もう私にはパワーがない。立たないんだ」
「だったら、バイアグラとか」
「あれは副作用もある」
「それにしても前妻との間に二人娘がいるじゃないか?」
「ああ。娘がな。私が欲しいのは男だ。どうか老人の願いを聞いてくれ」
「もし男でなかったら?」
「そのときは諦める。一度だけでいい。協力してくれ」
藤本は少し考えていたが、大黒が珍しく真剣な顔なので受けてしまった。


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