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美紀子
【熟女/人妻 官能小説】

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誘い-2

 着替え終わった美紀子は、ケイコと共に部屋に戻ってきた。
「どうも、ありがとうございました」
 慎ましやかに、美紀子はイトウにお礼を言った。
「お辛かったでしょう?」
 イトウは感情を抑えた声で応えた。それまで気丈に振る舞っていた美紀子だったが、安心したのか、初対面の二人の前でホロホロと涙をこぼしていた。
 そして、武史がパンティを手に訪ねてきたこと、強引に上がり込んで身体を奪われたこと、三度も身体の奥に精を放たれたこと、この部屋の畳みの上で粗相してしまったこと、これから二人にさらに嬲られて二穴挿入されたり、獣姦されることを告げられたことなど、これまでの経緯を順に話した。
「監督!……ホントにひどい人たちね。こんな可愛い奥様を縛り付けてレイプするなんて……」
 ケイコもイトウに合わせて言った。そして、美紀子の話を聞きながら、この内容は撮影のストーリーとして使えると思った。

「あの二人はお知り合いなんですか?」
 落ち着いたのか、今度は美紀子が訊ねた。
「ああっ、……そうね。アルバイトで手伝ったことがあるんでね。
 でも、こんなひどいことをする奴らだとは思わなかったな」
「本当に助かりました。
 でも、どうしてこの家に、あの二人がいることがわかったのですか?」
 美紀子は少し疑うような目で話しかけた。
「ここに来る途中、……いや、実は映画のロケに行く途中だったんですが、……幹哉という男を見かけたんです。
 声をかけるとオドオドしてるんで。……ああっ、これは何かあるなぁ。……って思ったんですよ。
 それで、幹哉を問い詰めたら、武史が奥さんをレイプしてるってことを話してくれたんです。
 それはとんでもないことだ、と思い……それで、場所を聞いたら、突然逃げ出したんです。
 あわてて後を追ったんですが、見失ってしまい……。付近をウロウロ探していたんです。
 たまたまお宅の前を通ったら、さっきまで乗ってた幹哉のチャリが道ばたに止めてあったんです。
 そこで、勘を働かせて……ああっ、ここかって……。
 まぁ、そんないきさつです。
 いやいや、そんなに酷くならないうちでよかった」
 イトウは一気に捲し立てた。
「何言ってんのよ。充分酷いわよ。……酷すぎるわよ、こんなこと!」
 ケイコがキッとした目でイトウをたしなめた。
「そうだったんですか。本当にありがとうございました」
 美紀子はお礼を言って、また俯いていた。早く立ち去って欲しいと思っていた。一人にしてほしかった。
「奥さん!
 アルバイトとはいえ、うちの若い者がとんでもないことをしでかしまして……。
 とにかく、今から、あの二人を警察に付きだして……」
「警察ですか?……ちょっと待ってください。
 一人は、ご近所なんで……」
「ああっ、そうなんですか。それじゃぁ、これ以上面倒になると……。
 ああ、もう、充分わかります……その気持ち。
 なんて、お詫びしたらいいか……」
「お詫びなんて。……ほんとに助かりました。
 こちらこそ、何とお礼をいったらいいか……」
「はぁ、お礼なんて、当然のことをしたまでで……」
 ケイコはこれまでの二人のやりとりを聞いていて、よくもまぁ、と心の中で舌を出して笑っていた。


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