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4月1日
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7月1日-2

私は心の中で、いつものお願いをすると、悟られぬよう精一杯の笑顔を作る。

「ねぇ。お話して?今日はどんなことをしたの?」




小さな頃からずっとずっと願ってた事。




私が死んだあと、彼の世界が悲しみで染まりませんように。

彼がいつも笑っていられますように。



彼が幸せでありますように。





ひんやりした部屋に、ぽつんと佇む。

懐かしい筈の部屋には色がなく、凍てついた大地の様だった。

そんな中で彼は身を守るように眠っていた。

少し大人びた顔を悲しみにそめながら。



私は届かないと知りながらも、彼の名前を呼ぶ。

『しゅうちゃん…』

私の声は微かに大気を震わせただけで、やはり彼には届かない。


無駄だと知りながらもう一度だけ愛しい名前を呼んでみる。

『修ちゃん…』


やはり無理だったのだ、と諦めようとした瞬間。

彼は重いまぶたを開き、ゆっくりと部屋を見渡して、視線を止めた。



見える筈のない。

私の方を。


そして彼はゆっくりと口を開いた。



『おはよう。ちはる』





END


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