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大沢商事の地下室
【SM 官能小説】

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責めを欲する心-2

 里子の提案でショーの前に一度顔合わせをすることになり、里子の店の事務所に集まった。
 里子の希望で幸恵も同席している。
門村に伴われて事務所にやって来た亜美は、独特なルックス、確かに今風ではない。
 切れ長で少し垂れ気味の目、小さめでぽってりした唇、ちょこんと小ぶりな鼻、ふっくらした頬……華やかさとは縁がない顔立ちだ。
 長い髪を茶色に染めて軽くカールさせているのだが、まるで似合っていない。
 物腰も少しオドオドした様子で門村の斜め後ろからちょこんと頭を下げる。
「亜美と申します、よろしくお願いします」
「里子よ」
「ママ、この娘はどうだろう? AV女優になりたいと言うんだが」
 門村が亜美の肩に両手を置いて里子の前に出し、正対させる。
「いやね、SM専門でいいと言うんだが……今回のゲストにあるAV監督が入ってるのは知ってるよな?」
「ええ、その監督の眼鏡に叶えばいいのよね」
「そうなんだ、ショーの内容も重要なんだけどね、ルックスも少し何とかならないかな?」
「う〜ん……確かに今風でないけどお化粧を上手にすれば悪くないと思う、好みもあると思うけど独特のムードは持ってるわ、幸恵ちゃんはどう思う?」
「ええ、和服なんか似合うんじゃないかしら?」
「ありがとうございます……でも顔が大きくて……」
「それも個性の内じゃないかしら、それに、大きくはないわよ、頬がふっくらしてるだけで……今19でしょう? ふっくらするお年頃でもあるしね……それより、真性Mなんですって?」
「はい……14歳の時から叔父に調教されて……」
「叔父さんはどんな責めを?」
「一通り全部だと思います……縛られてバイブや電マで責められましたし、セックスやイラマチオも……吊り、ムチ、蝋燭も……」
「アナルは?」
「はい、それもいつも……」
「どれ位の頻度で調教されたの?」
「大体週に二回くらいです……週の半ばでは2時間位でしたけど、週末は午後いっぱい……」
「長いわね、責められるのは好きだったのね?」
「責められてる時は辛かったです……でも……」
「その後に挿入されたりすると……」
「はい……気が遠くなるような感じで……」
「大体わかったわ……裸を見たいわ」
 里子に言われ、素直に服を脱ぐ。
 躰は綺麗だ、東北生まれらしく透通るように色が白く、スリムで手足も長い。
尻や胸は小さめだが十分女らしいし形も良い、ウエストのくびれがはっきりしないのは少々難点でもあるが、個性でもあるようにも思える。
「剃ってるの?」
 無毛の性器を見て里子が聞く。
「永久脱毛です、毛根ごと……」
「覚悟が要るわよね、永久脱毛は」
「でも……Mとして生きると決めてますから……」
「その覚悟、気に入ったわ」
「ありがとうございます」
「躰はとても綺麗ね……でも、気に障ったらごめんなさい……今風のルックスではないわよね」
「気に障るだなんて……その通りだと思います」
「でもそれを武器にも出来るの……わかる?」
「いいえ……」
「和風なのよね、顔立ちも体つきも、そこを強調すれば個性になると思う……幸恵ちゃんはどう思う?」
「ええ、私もそういうイメージを持ちますね……例えば舞妓さんみたいなお化粧をしたら似合うんじゃないかしら」
「そうね……おかっぱにしたらイメージ強くならないかしら」
「ええ、カールさせて輪郭を隠そうとしてるから余計に目立っちゃってる部分、あると思います、ほら、昔トップモデルだった人、なんて言いましたっけ……」
「ああ、山口小夜子ね?」
「そうそう、あの人と共通するイメージもあるような気がしますけど……」
「そうね、切れ長の目や小さめの唇も似通ってるかも……亜美ちゃん、髪を切るつもりある?」
「ええ、女優になれるなら……」
「幸恵ちゃん、ちょっと美容室に連れて行ってくれる? 店の娘たちのセットをしてくれてる美容室があるの、すぐにやってくれるように電話入れておくから……私が行ければ良いんだけど、私が連れて行けばどういう娘かって詮索されちゃうから……」
「ええ、お安い御用です、さ、行きましょ」



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