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夜這い
【熟女/人妻 官能小説】

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夜這い-3

3.
「はっ」
 目が覚めると、美佐子は思わず股間に手を伸ばした。
 指に絡む粘液を鼻に近づける。精液の匂いはしない。
「夢だったのか?」

 膣も、いつもの状態、つまりオナニーの後と変わりなく、あの巨大ペニスが入った痕跡は無かった。
「夢だったんだ」
 夫のインポで溜まった欲望が、思わぬ夢を引き起こしたのだろう。
 それにしてもなんという凄まじい夢。美佐子は己の欲情の激しさに今更ながら驚いた。

 次の夜も、その次の夜も、期待をした夜這いは現れなかった。
 自分の思いのままに再現できるものではないらしい。
 夫では味わえなかった愛欲の賞味が、後を引いた。
 満たされぬ思いのまま、オナニーでお茶を濁す夜が続いた。


 手術半年後、第1回の定期検査の日だ。
 術後4年間は、6ヵ月毎の検診が必要と言われていた。
 夫がMRI検査を受けている間、美佐子は病院のソーシャルワーカー谷口昇に、コンサルティング・ルームに案内された。
 淡いサーモンピンクの壁、コーナーには観葉植物、デーブルの上には季節の花の鉢植えが置かれ、相談者の気持ちを柔らげる配慮が感じられた。
 
「患者さんの容態だけでなく、生活一般について何かお困りのことはありませんか?」
「ええ、お陰さまで経過は順調のようで、仕事にも復帰をしております」
「手術前にドクターからお話があったと思いますが、副作用として尿漏れとか、ご夫婦の性生活で問題はありませんか?」
「幸い尿漏れはないので一安心しておりますが、そのう、なんと言いますか、夫がまったくセックスレスになってしまって、・・・」

「命が掛かっていますから手術が優先されて、副作用についてはどうしても後回しにされてしまいますが、まだまだ人生は長いのでQOLつまり生活のクオリティと言うことも考えないといけません。前立腺手術による勃起不能は大変に率が高いので、私が研修に行ったオーストラリアでは奥様に必ずそのことを伺っています。そして必要があれば、ボランタリーのお相手男性の紹介もしているのですよ」

「夫は真面目でよく働きますし普段の生活はまったく申し分が無いのですが、夜の生活が全く無くなってしまいましたので、正直、これから先どうしたらいいのか考えあぐねています。先日なんかは、夜這いに襲われる夢を見て久しぶりに・・そのぅ・・何というか、せめて夢でもいいからなんて・・・まあ、お恥ずかしい・・・」

「恥ずかしいことなんてありませんよ。健康な女性であれば当然のことです。短い期間ならば我慢で過ごすことも出来ますが、我慢も限度を過ぎれば離婚と言うことにも発展してしまいます。離婚の最大原因は、性生活の不一致と言われていますからね」
「先ほども申し上げたように、夫はセックスのことを除けば申し分の無い人ですので、離婚をしたくはありません」

「日本ではまだまだですが、欧米では、セックスレスの夫の妻のためのお相手紹介を、ボランタリー活動でやっています。日本では障害のある男性のための射精介護のサービスが一部で始まっていますが、女性の為となると口にするのも憚れる状態で・・・」

「奥様の正直なお気持ちを伺って思いついたのですが、もし、若しですよ、・・僕が夜這いで奥様のベッドに伺ったらどうします?」
「えっ〜よろしいんですか?」
「夜這いは日本古来の風習ですから、お互いが了解していれば法的な問題はありません」




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