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離婚夫婦
【熟女/人妻 官能小説】

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訃と夫と婦-3

問題ないだろうと思って捻った足首を地に着けたが、そこはまだ1分も経っていないから、痛みが残っていた。
「あイタっ」
 接地した足を放すとよろけそうになり、そのまま豊川に寄り掛かった。
 豊川も望未が倒れないように、しっかりと受け止めたため、二人は抱き合うようなかっこうになった。
(あれ!?ちょっと太った?晃ちゃん)
(あれ!?なんだかふくよかになっていないか?望未)
 共に心の中で互いの身体の変化を笑った。
 口に出さなくとも、お互い何が言いたいのかわかったような気がした。
「玄関まで肩貸すから。たいしたことなさそうだけど、無理すると葬儀にひびいても困るだろ」
「う、うん」
 豊川の申し出に、望未は素直に従った。

 望未と菜緒の部屋はメゾネットタイプの2LDK。内装も派手にせず、ごくごくシンプルな装飾。女性だけの生活のせいか、ふんわりとした香りが漂っている。
 豊川は望未に肩を貸したまま、一緒に部屋まで上がり込んだ。
「あ、座ってて」
 望未を椅子に座らせると、「氷借りるよ」と言ってキッチンに向かった。
「ごめん。冷蔵庫開けるな」
 望未の了承も得ぬまま、製氷室を開け、氷を取り出し、近くにあったビニール袋に氷を入れ、氷嚢を作った。
「これ当てとけば、少しは違うだろ」
 豊川は、望未の足首に氷嚢を当てた。
「冷たっ!」
 酔って火照った身体に氷の冷たさが気持ち良かった。
 2〜3分氷嚢を患部に当て、様子を見る。
「躓いた時の衝撃だけで済んだかな。ちょっと動かせる?」
「う、うーん・・・・・・大丈夫・・・だね。うん、痛くもないし」
 望未は足首をゆっくり回してみたが、痛みはほとんど無かった。
 豊川は氷嚢を外し、患部を見てみる。冷やしていたせいか、少し赤くはなっていたが、腫れてはいない。
 心配が先に立っていたので、足首にしか意識がいっていなかったが、安心すると、椅子の上に足首を乗せ、片膝立てている望未の下半身が目に入ってしまった。
 太腿からヒップにかけてのラインが、スキニータイプのパンツに、ムッチリと艶めかしく、パンティラインもくっきりと浮き出ている。
(ここまでムッチリしていたっけ?でも、もう望未も40半ば近いんだよな)
 久しぶりに会った望未は、熟れた色気を放つ熟女になっていた。
 望未も豊川の視線に気付いたのか、片膝立てを崩した。
 豊川自身、望未もこの雰囲気に満更でもなさそうな感じがした。別れて6年、久しぶりの再会に互いの感情が昂ぶっているのだろうか。
 言葉には出さなくても、部屋にまで入れてくれるのだから、望未も何かを期待しているのかもしれないと、勝手に妄想した。
が、あくまでも妄想。勝手に盛り上がって、更に悲惨なことになっては堪らない。明日、明後日と顔を付き合わせるのだから、バツが悪くなる。
「じゃあ、帰るわ」 
 踏ん切りをつけて立ち上がった豊川だが、先ほどの艶めかしい望未の下半身を見てから、豊川の男に火が着いていた。このまま望未を押し倒してしまおうかという気持ちが生まれていたことは否定できない。一瞬、邪念が頭をよぎったが、心の中で首を振り再度邪念を振り払った。
(ないないないない)
 念仏を唱えるかのように心で邪念を鎮める。
「色々とありがとう」
 立ち上がって礼を言った望未から、ほのかな女の香りがした。
 その香りが豊川の鼻をくすぐり、欲望をもくすぐった。
「望未」
 豊川は、望未の名を呼び、きつく抱きしめた。
「ちょ、ちょっと、晃ちゃん。や、やめて」
 振りほどこうとする望未。しかし、男の力にかなうはずもない。
「ね、ね、ちょっと。落ち着いて、ね、晃ちゃん」
 力づくでは無理だと思った望未は、落ち着かせようと説得に入った。
 が、次の瞬間、豊川の唇が望未の唇を奪った。
「あ、あっ、まっ待って」
 荒々しいキスに、身体を背けて嫌がる望未に対し、豊川は執拗に迫った。
「いやぁ、やめて。やめてって言ってるでしょう」
 両手で豊川の顔を押しやり、必死に抵抗を続ける望未だったが、自分の下半身がどんどんと熱くなってくるのを自覚していた。

 望未が最後にSEXをしたのは、もう4年も前のことだった。当時付き合っていた和真とのSEX以来、一度も男に抱かれてはいない。
 カラダが男を欲してはいても、充たしてくれる相手がいなかった。誰彼と無分別に選べば誰かしらは相手をしてくれたかもしれないが、望未の心はそこまで開放的にはなれなかった。
 結果、欲望を満たすのはもっぱらオナニーになり、一時は中毒とも言えるほど自慰行為に耽っていた。
しかし、カラダが充たされていないことも勿論、心にも隙間が出来てしまった。その原因は、自分たち夫婦の未熟さだったんだと思い知り、その度に自分の犯した不貞を嘆いた。
 確かに不倫相手の和真には心を奪われ、再婚も頭に浮かんだこともあった。和真が故郷に帰って新たな事業に乗り出す時に、『一緒に来て欲しい』と、プロポーズもされた。
 こんなに嬉しいことはないと、喜び勇んだが、菜緒のことを考えると、二つ返事でOKとは言えなかった。
 悩んだ。悩んで悩みぬいた結論が、和真との別れだった。
 その時は、菜緒が足枷になったと思っていたが、時間が経つにつれ、和真との恋は本気ではあったけれど、運命では無かったんだと思うことが多くなった。
 すると、憎くて別れた元夫豊川の顔が頭に浮かんだ。
 豊川を意識すると、あれは憎くて別れたのではない。悔しくて別れたんだということに気付くようになった。
 自分の不貞を棚に上げて、その原因があたかも夫の女遊びが全てであるかのように罵倒し、責めたてたことを恥じ、悔いた。以来、離婚の最大の原因は相手のことを理解しようとしなかったこと、相手を許すことが出来なかったことにあったのだと思うようにもなっていた。


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