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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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サーガの正体-8

夕方、連続爆発事件についての記者会見が行われた。現場の指揮を執った山内警部補と若菜の2人が出席した。会見場に現れた若菜を見てどよめきが起きる。容姿端麗でいつも身だしなみもきっちりしている若菜とのまさに正反対の姿に報道陣は驚いた。

事件の詳細は山内から伝えられた。昨日の東京刑務所に続いて連日の爆発事件にテロの疑いが囁かれているこの一連の事件に世間は大きな注目を抱いていた。山内が事件の経緯を話し終えると報道陣から多くの質問が飛んできた。対応するのは山内だ。若菜はその様子をじっと見守っていた。

やがて質問の矛先は若菜に向けられた。
「今回、風俗店への令状を取らずに突入をしたと言う事ですが、本当ですか?」
若菜は顔を上げマイクを握る。
「はい。」
本来なら大問題の案件だが、若菜は何の問題もないようにあっさりと答えた。その姿が質問者を刺激したようだ。語気を荒めて若菜に食いつく。
「令状も取らないで突入するなんて違法でしょう!?」
「確かに。」
「いや、確かにじゃなくて…」
開き直りとも取れる若菜の態度に呆れた様子だ。若菜はその質問者を見つめたまま言った。
「偶然にも千城県の連続爆発事件と、昨日と今日の連続爆発事件の容疑者と思われる人間があの風俗店にいたんです。一刻も早く容疑者を確保するため、令状を待っていたら逃亡されてしまいます。相手はもはやテロリストです。手順など踏んでる余裕はありませんでした。」
「しかしもしそれが人違いで風俗店が全くの無関係だったなら大問題ですよ?」
「現に店内にいた客は容疑者の関係者であり、従業員の中に千城県において行方不明であった女性がいた。容疑者本人の裏も取れていました。」
「だとしても…」
「テロリストは我々に容赦しません。手順など踏んではくれません。爆発は無差別に起こされます。テロリストを甘く見ると、こうなります。」
若菜はボロボロの体を見せつけるかのように立ち上がった。そこにはテロリストと対峙した生の人間の姿があった。その生々しさに報道陣も言葉を奪われた。若菜が着席すると新たな質問が飛んできた。
「しかしその令状なしに突入し、結果的に千城県で行方不明になっていた女性が亡くなった。それは問題では?」
その質問を聞いてマギーは驚いた。マナミが死亡した報告は受けていなかったからだ。
「私が駆けつけた時、上の3階で発砲音が聞こえました。現場に行くと女性がお腹付近を数発撃たれて倒れてました。爆発の危険を感じ女性を担いで店外へ出る直前に爆発は起きました。すぐに救急車にて搬送しましたが残念ながら亡くなってしまいました。確かに私が突入した事が原因で撃たれた可能性はあります。捜査において尽力はしますが犠牲者は出るかも知れない。しかしそこでは止まれません。私は一般の方々を早くテロの危険から守りたいから。その為には早くテロリストを確保しなきゃならないんです。事件が終わった後、いくらでも責任を取ります。その代わり何が何でもテロリストを捕まえます。私はテロと戦う。負けたくない。だから足を止める訳にはいかないんです。卑劣なテロリストを一網打尽そるまでは。」
若菜の鬼気迫る熱弁に報道陣は沈黙した。
「みなさんは私を支持しますか?それともテロリストを支持しますか?捜査過程で私のあら捜しをして捜査を邪魔してテロリストに楽させるか、ご協力いただくか、どちらかです。」
冷静に考えれば非常に汚い投げかけであった。自分のあら捜しをすれば報道がテロリストに助け舟を渡す…そのような構図を報道陣に向け発信したのだ。報道陣は不条理な言葉を感じながらもテロリストの手助けと言われては若菜の言葉に一定の理解を示さなければならなくなったのであった。


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