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前田はこの後、講義に出席しなくてはいけなかったので、ファーストフード店でそのまま別れた。
俺はと言うと、午後まで講義が無いので微妙に時間を持て余している状態。
さて、どうするかな。
見上げれば抜けるような青空と、ビルの谷間から覗く純白の白い雲。
９月だというのに未だ威力が衰えないその日差しに、自ずと目も細くなる。
この暑さだから、行き交う人の格好も軽装そのもので、特に女の子らのノースリーブとか、ミニスカートから覗く焼けた肌は、まだまだ夏を楽しみたいと言わんばかりに眩しく輝いていた。
そんなキラキラした女の子らを見ていると、ナンパを生きがいとしている前田の気持ちも少しは理解できるような気がした。
もちろん前田が声をかけるようなレベルの高い女はそうそう街を歩いてもお目にかかれないけれど、平凡レベルーー所謂『量産型』と呼ばれる、似たようなファッションや髪型、メイクをしている没個性の女の子でも、ちょっと声をかけてお茶を飲むだけでも至福の時を過ごせるかもしれない。
じゃあナンパしてみろやなんて思われるかもしれないんだけど、そうなるとやっぱりナンパには抵抗があってそれは無理。
そもそもナンパの最終目的はなんだ？
恋人を作るため？ ちょっとした暇つぶし？
いや、そんな目的に付随する理由なんてどうでもいいんだ。
とにかく、ナンパの理由が運命の相手探しとか綺麗事を言ったとしても行き着く先は、セックスをすること。
恋愛要素が絡むかそうでないかは別として、結局セックスしたいから声をかけるんだ。
となると、セックスの相手は、今まで何の接点もなかった素性の知らない女ってわけで、そうなるとやや潔癖の俺は、抵抗が生まれてくる。
こんなわけだから、俺は女に縁のないモテナイ人生を歩んできたのだ。