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コンピューターの女
【熟女/人妻 官能小説】

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コンピューターの女-6

6.
 ディナーはやはり肉食系だろう。
 シドニー湾に面した観光スポットのロックスに案内する。
 表はバーで、裏が屋外のバーベキューエリアになっているレストランに案内をする。
 決して広くはないが、樹木に囲まれてプライベートな落ち着いたレストラン。シドニーには何箇所か似たようなレストランがある。

 ビールと肉を注文して、自分で焼く。
 ここでは珍しくないが、骨の付いたTボーンステーキを、バーベキュー台の網に載せる。塩コショウは自分の好みだが、醤油に芥子が好きなので、小瓶に入れて持って来た。

 野菜サラダは、自分の好みを好きなだけ取れる。
 最近は健康にいいというので、肉の焼けるのを待つ間、もっぱら野菜を平らげる。
 
「藤子さん、焼き加減は?」
「ミディアム・レアでお願いします」
オーストラリア人は、コチコチになるまで焼く。日本人はレア好みが多いので、隣で見ているオーストラリア人が「未だ生だよ」トアドバイスをしてくれるが、OK,OKと言って無視をする。

 血の滴る肉を貪り、骨までしゃぶる。
 最後はコーヒーで締めて、店を出た。

 海を見たいと言うので、一番有名なボンダイ・ビーチにドライブ。
 以前陸釣りに来た岩場の上の展望台に車を止めた。
 展望台と言っても、車が10台ほど止められる岩場の出っ張りだ。

 他の車は1台も居ない。右手は湾内で昼間はサーフィンが盛んだが、夜は真っ暗で何も見えない。
 正面は太平洋だ。ずーと先は、タスマニアを経て南極に達する。
 当然のことながら、こっちも真っ暗で、沖にポチぽちと航行する船の明かりが見えるだけ。

「南十字星ってどれなの?」
「真北に向かって水平線の上の大きな星を見つけて、まっすぐ上に向かって一寸登るともうひとつの明るい星があって、その距離を5倍伸ばしたところ。南十字星って、4つの星の星座なんだよ。昔の航海で北を示す指針の役割があったんで有名だけど、星としてはあまり目だたない星座なんだ」

「寒いね、車に入ろう」



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