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コンピューターの女
【熟女/人妻 官能小説】

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コンピューターの女-12

12. 
 足元の藤子のパンティを拾うと、藤子の脇を支えて車に戻る。
 啓介が席に腰を下ろすと、藤子は啓介の首に縋ってシクシクと泣き出した。
「ごめん、ごめん」

 啓介は、藤子の肩を抱くと、顔を覗き込んだ。
「そんなつもりじゃなかったんだ。ただ、なんとなくそんな具合になっちゃって
藤子は、初めてだったんだね」
「いいのよ、啓介さんがそうしたいんなら、私はかまわないのよ。ただ、最初、啓介さんが、入れるところを間違えたのかと思って、・・でもそんなことないわよね、私って馬鹿なんだから」

「とてもよかったよ、強烈だった。僕も初めてだったんだ」
「啓介さんも初めてなの。じゃ私たち、処女と童貞の初契りだったのね」
「そのようだ。痛かったかい。もうしないから」
「いいのよ。好きな人に痛くされるのは、女の本望よ」

 藤子は、啓介の胸に顔を埋めると、身体を震わせて泣いた。
 啓介も、藤子の身体を両手で包むと、髪の毛に頬を寄せた。
「藤子、君は・・・、君はなんて可愛いんだ。今日のことは死ぬまで忘れないよ」
 藤子の身体が、更に激しく震えた。


 藤子は、けたたましいクカバラ(笑いカワセミ)の泣き声で、目を覚ました。 
 備え付けのヶトルを使って湯を沸かし、コーヒーを入れた。
「啓介さん、起きてぇ・・・」

 モーテルの部屋の前のテーブルにカップを並べる。
藍を流した様な、朝空、ユーカリの梢を通して木漏れ日が注ぐ。太陽の未だ昇り切らないキャンベラの朝風は、ひんやりと冷たい。

「おままごと見たい」
カップにコーヒーを注ぎながら、藤子はウキウキとする自分を可愛いと思った。娘のころ、未来の夫を夢見て、ああもしたい、こうもしようと空想したものだ。この歳になって、夫でもない男と夜を過ごし、夢に見たシーンを演じている。
 
 椅子に腰をおろし、足を組むと、カップを口に運んだ。そろそろ啓介が出てくるころだ。
藤子の胸が高鳴る。
(まるで新婚の朝だわ)
お尻の周りが、ウズウズと落ち着かない。
(啓介さんも、初めてだったなんて)
頬から耳に血が上ってくる。
 
 昔、処女膜の張替え、なんて流行り言葉があったのを思い出す。
(処女が二回あるなんて、考えても見なかったわ。今時、処女にこだわる人は余りいなくなったけれど、啓介さんは喜んでくれた)
お尻の疼きが嬉しい。

 カチャッと、ドアの取っ手の音がする。
 藤子は、どんな顔をして、啓介の顔を見たらいいのか、思い惑った。
 啓介が、テーブルに近づく。藤子は、頬がカッカと火照るのを感じながら、膝の上の手に目を落とした。



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