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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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優しさに触れ…-7

「いやぁー今日も坊主やったわぁー、ほんま最近ツイてへんなぁー。」
「なんで関西弁なんだよー。」

父と決別してから二日が経ち、昨日から一条君がやたらハイテンションで色んな所に連れてって、いや連れ回されて…。

昨日はゲームセンター、今日は釣り堀へ彼と遊びに行き、時には笑い時には悪戯されて少しうっとおしかったな、正直そっとしておいて欲しい所もあったが。

昨日の夕方家に帰っても父が帰ってくる事はない、でもそれはもう良いただ母の事が心配で、表向きには明るく振る舞ってはいるものの、食事も相変わらず自己犠牲な所もあるし
無意識のうちに何度も溜息をついて、夜何て一人泣いていて、表情もまだやつれていて。

これもそれも全部アイツのせいだっ!本当に嫌になってくる。

「さて、お次は何処行きましょう?あっカラオケ何てどう?」
「良いよ、別に。」
「…ならどうするの、家に帰るの?」
「それは…。」

自宅に帰っても憂鬱だ、テーブルで一人頭を抱える母の姿が目に浮かぶだけだ。

「まっ、それは昨日もそうなんだろうね、、とは言っても家だけの事を指してる訳じゃないけどね。」
「え?」
「あのまま何もしないでそっとしておいたら君、本当にゆっくり出来た?」
「ん、まぁーその。」

確かに、一条君に振り回されなければきっと思い出して、現にさっきも父の事で色々と思って気分も悪いし。

「…ひょっとして聞いた?彼女から。」
「そんなのどーでもいいっしょ、友人が落ち込んでるから励ました、それだけよ。」

彼のお陰でそんな嫌な事を忘れられた時は何度かあった。

「ありがとう一条君。」
「んー?」
「お陰で少しはラクになったよ!」
「辛いなら遠慮しないで言いなよ、僕ら友達なんだからさ、その方が柊さんだって嬉しい筈だよ、君が幾ら明るく振る舞ったって気づいているだろうから。」
「そう、だよね。」

このままカラオケに行ってもいいが、もう暗くなるし帰りが遅くなって心配掛ける訳には絶対行かない、あの状態で息子まで居なくなる何てあんまりだし、なるべく母の傍にいてあげたいし。

僕は一条君に別れを告げ、不安はありつつも頑張って家に戻る事にした。


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