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なりすました姦辱
【ファンタジー 官能小説】

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第四章 漂着した恋人-8

 もう誰に見つかってもおかしくないほどの絶叫を上げた真璃沙に、急に落下感が訪れた。土橋が男茎を抜き取り、崩れ落ちる真璃沙を室外機の土台へ座らせたのだ。
「イクぞっ、真璃沙っ! こっち向けっ!」
 命じられるままに薄目を向けると、亀頭の真ん中にある小孔と目が合った。
「ふぁっ! か、かけてっ! エ、エロバカモデルの、か、顔に、せ、せいし、……精子いっぱいかけてっ!」
 噴射口に向かって頼んでいる最中から、粘液のビームが鼻筋を叩いた。二弾、三弾と撃たれる。強烈な噴射はしぶきを上躯にも飛び散らせてきた。
(ああっ……、く、くさい……、きったない……。……、……あったかい)
 真璃沙はもっと汚辱が欲しくて、顔を向けたままジャージのファスナーを下ろすと、肩を外し、タンクトップから覗く小麦色の肌身を砲撃の前へと晒した。




 汐里は須賀にプロポーズされた。前々から結婚の話は二人の間でしてきたから、そろそろどうかな、というノリだった。
 入社時、汐里には別の恋人がおり、須賀は単なる仲の良い同期、男友達だった。
 当時の彼氏についての相談をするために二人で飲みに行った。相談とはいっても、だいたいの女がその時にはもう腹の中で答えが決まっているように、汐里もまた、恋人と別れるという決断を誰かに賛成してもらえればそれでよかった。
 須賀は聞き手に徹したあと、汐里の百パーセント期待通りの答えを示してくれた。そして、別れるや否や告白してきた。
 ずっと汐里に思いを寄せていたらしく、数年も想い続けるなんてかわいいなあと思ったし、一緒にいると居心地が良さそうだった。実際付き合ってみるとその通りで、汐里の心をよく汲んでくれ、世間的にどうだとか、倫理的にどうかというのではなく、汐里が「こうだ」と思ったことについて、もっともらしい理由を付け加えて賛同してくれる男だった。これまで付き合ってきた男に比べて特別端正なわけではないが、総体的には悪くはない。入れ替わりの激しい会社だが、人事コンサルをやる須賀の部門は安定しているし、仮にどうにかなってしまったとしても、この会社に新卒採用されるだけあって学歴も良いし、人事コンサルタントのキャリアは何かと潰しがきくだろう。
 結婚を意識するなら不安を感じさせない相手だった。
 須賀は昇格してからは色々と悩んでいた。責任が増したというのもあるが、付いた部下がはるかに歳上の、誰がどう判断して中途採用を決めたのか信じられない、使えない中年男である心的負担だった。話を聞いているだけでもヒドい男だし、根は真面目で、普段あまり他人への批判や悪口を言わない須賀が愚痴をたれるくらいだから、相当なのだろうと思った。
 そんな男が自分の「副業」の証拠を掴み、脅迫してくるなど夢にも思っていなかった。須賀にはとても相談できなかった。
 恋人が脅迫を、しかも猥褻な要求をされていると知ったら、彼は烈火のごとく怒ってくれるだろう。しかしそうなれば、アルバイトのことも知られてしまう。エステに通って美しくあり続けたい、結婚を意識している彼氏のためだ、と理由を言ったとしても、誰とも知らぬ男たちが凝視するカメラの前で肌身を晒していたと知ったら、いくら須賀でも見逃してはくれまい……。
 土橋が男茎を埋めた瞬間は、本当に死にたかった。
 そして連続で穢らしい劣情を体へ注がれているのに、自分の中に抗いがたい欲望が目覚めていくのが信じられなかった。
 そんな自分に強い嫌悪を催していたが、別の女が、――いつも職場で凛として、厳しくも一線級でチームを指揮している気高き上職も、土橋に陵辱され、自分と同じように堕ちていくのを目の当たりにした時、汐里の中で自己肯定が果たされた。そうなると独占してきた土橋の淫欲が別の女へ向けられることに激しい嫉妬を催すようになった。
 現在担当している案件を理由に、プロポーズの回答を一旦保留にしている汐里を、須賀は「待つよ」と言って優しく抱いてくれた。
 須賀からは狂うような性楽をもたらされたことがない。常に自分を褒め讃えて抱いてくれるので、一応の恋情に裏打ちされて心地良く思ってきたが、土橋によって別世界を見せられてからは、避妊具をつけた須賀が挿入してきても、律動の最中に異形の男茎を焦がれてしまう。ともすれば我に返って「あ入ってたんだ」と無礼なことすら考えていた。
 ――湾岸エリアに建つ大型ホテルのフロントで聞いた「ファミリースイート」は、部屋数も多く広かった。土橋からここに来るように言われた時、前日に抱かれた須賀からは焔柱が上がるような激烈な快楽はついぞもたらされず、炭が熱は帯びても炎が立たず燃え続けるような、そんな不満が渦巻いていたから、汐里は内心胸を躍らせてやって来ていた。
 しかし、部屋に入ると涼子と真璃沙がいて思い切り舌打ちをした。いつもの狭々しい土橋の部屋ではなく、ホテルに自分だけが呼び出され、丸一日性楽に浸らせてもらえるという淡い期待は見事に裏切られた。残り二人の奴隷も呼び出されていたと知ると、やっぱりね、と心の中で嘯くものの、嫉妬は烈しく身を焦がした。


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