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なりすました姦辱
【ファンタジー 官能小説】

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第四章 漂着した恋人-5

 コンクリートから片手を離し、陽の光に輝くプリンとしたヒップを背後の視線から隠そうとすると、
「動くなバカっ!」
 罵りとともに尻肉を叩かれた。叩かれる痛みよりも、何の労わりもない打擲がより真璃沙を惨めにさせる。
「……うっ!? い、いきなり……?」
 そこへきて真後ろに向けた秘門へ灼熱の亀頭が押し当てられた。手を背後に向けるのを諦め、コンクリートに手を付き直し、猛虐に備えるしかなかった。
「ちょっと高い。少しケツ落とせ」
 上からヒップを抑えられ、腰の高さを調節される。脚をピンと伸ばしているよりも、中途半端に膝を曲げさせられるほうが恥辱は増した。
「はっ、入んないってっ! ま、まだ濡れてないし、そんなすぐ……、んはっ!!」
 みちみちとした感覚とともに、先走りのヌメリだけで真璃沙の狭い女洞が広げられ始めた。
「っく、相変わらず狭いな」
「う……、ああっ、い、いたっ……痛いからっ!」
 それは痛みではなかった。解れていない襞壁が急激に引き延ばされる拡張感は、痛覚よりも、記憶の中の性感を現実の刺激として蘇らせるものだった。
 ゆっくり進んできた亀頭が、トンと奥を小突く。
「何時までだ?」
 最奥まで呑み込ませた土橋が、動きを止めたまま唐突に問うてきた
「……え、……え?」
「休憩」
「ううっ……、は、半、まで……」
 身を屈めたまま迎える腹部の圧迫感に、真璃沙は息を途切れさせて答えた。
 それを聞いた土橋はヒップを掴むと、入ってきた時と同じゆっくりとしたスピードで引いていった。車の中では拘束されていたから、ずっと正面から貫かれた。生まれて初めて後ろから捩じ込まれると、亀頭が擦る場所も強さも違い……、甘美さの趣も異った。
 鰓が外に出てしまうギリギリまで引かれると、少し間を置いたあと、再び同じスピードで入ってきた。再び体を広げられていく。膝がピクンと震え、淫道に蜜が滲み始めた。土橋はその恥ずかしい分泌を指摘することもなく、黙ったまま最奥まで到達すると、軟蓋に空いた神秘の口を軽く突つき、真璃沙に妖しい期待をさせておいて、しかしまたゆっくりと退き始めた。
(やあっ……も、もっと……)
 緩慢な凌辱が猛烈にもどかしい。こんなことなら、バカだ、と罵られてオモチャのように突き遊ばれたほうが、ずっとマシに思えた。
 二往復で真璃沙をそんな境地に陥れた男茎は、三度目の侵を開始っすることなく、ヌプリと真璃沙から出て行った。大きな亀頭が秘門をくぐり去ると、真璃沙は膝の力が抜け、薄汚れたコンクリート床に崩れ落ちてしまった。
「そろそろ終わりだ」
「……え?」
 真璃沙は一瞬広げられた子宮口からの疼きが下肢を襲っていて、すぐに立ち上がれなかった。
「休憩。あと一分もない。急いで行ったほうがいいぞ」
 時間には厳しいコーチを思い出して、何とか踏ん張って脚をついた。ズボンから勃起を放り出したまま、タバコに火をつけて見守っている土橋が何か言うのを待ったが、戸惑う真璃沙を愉しむようなニヤケ顔のまま無言だった。
「んっ……」
 しかし、鑑賞だけは続けられていた。目の前で下ろされたショーツとジャージを自分の手で引き上げる。まるで気まぐれ、慰みで、挿れられるためだけに呼び出された、そんな気持ちにさせられる。
 頬に赤らみを残したまま小走りにスタジオへ戻った真璃沙は、次のトレーニングが始まると、下肢に残る疼きに悩まされた。
 ポージングする鏡の中の自分を見ていると、この女は今の今まで男茎で穿られていた、そんな事実が省みられて顔が熱くなる。
 目線、指先、伸ばす脚の角度、細部で集中力を欠いてしまう真璃沙は何度もコーチの叱責を受けた。トッププロモデルになるという自負にかけて、淫情などという低俗な理由でトレーニングがおざなりにならないよう、真璃沙は懸命に意識をポージングと集中させた。四十五分が過ぎる頃には、真璃沙の体の疼きも随分凪ぎ、一息安堵することができた。
 昼休みになった。スタジオは飲食禁止だから更衣室へ向かう。同じくレッスンに来ている子と出遇せば一緒に食べることもあったが、今日受講しに来ているのは真璃沙一人だけだった。朝、コンビニで買ったおにぎり一つ。スタイルをキープする為に食事に気をつけるのはいいが、絶食は決してするな。朝に、なるべく多くのエネルギーを摂取するように。指導の通り、昼食はこれで足りる。
 一つきりなので、咀嚼を多くしてゆっくり食べても時間が余った。食べ終えた真璃沙は更衣室のパイプ椅子に座って息をついた。一人でいると、考えなくてもいいことを考えてしまう。
 いったい土橋は何がしたかったのだろう。あんな僅かな挿抜では、あの男の性欲も不完全燃焼だったのではないだろうか?
 別れ際に垣間見た土橋の勃起が脳裏に浮かんだ。二度だけ抽送して抜き取った肉棒はて物足りなそうにビクンと動いていたのに……。二回だけの往復。十分? いや、五分ほどしかなかったかもしれない。
 まるで幻だったのではないかと思えてくる。
(ん……)
 思うに至って、レッスン中に振り払ったはずなのに、ジャージの中で淫りがわしく蜜が漏れた。


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