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なりすました姦辱
【ファンタジー 官能小説】

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第四章 漂着した恋人-23

「んきゃっ……!」
 女の子らしい声を漏らしてしまった真璃沙は、吊革に掴まった腕に頬を押し付けたまま、瞳をギュッと閉じ、「……も、もっとして」
 そう小さく言った。
「んー? 何をして欲しいのかな?」
「あ……、あー……」
 もっと激しくイジって欲しい。自分はそう熱望していると思っていた真璃沙だったが、土橋に改めて問われると、心の奥底から「違う」という声が聞こえてきた。
 本当は指よりも、土橋がズボンの中に仕舞っているあの男茎が欲しいのだ。車の中で暴虐をぶつけてきたように。スタジオの屋上で焦らし抜いた末に豪打で狂わせてくれたように。
 しかも今日はまだ射精していない。ということは、たっぷりと濃厚な淫辱の粘液を体内湛えているだろう。
(……!)
 想像しただけで真璃沙は淫路を艶かしく搾ってしまった。
 土橋の熱い汁を受けた時の、全身を駆け巡る爽感。子宮にドブドブと注ぎ込まれただけではない。胸乳、いや、腹の上や脚に浴びた時ですら、垂れ落ちるヌメリが肌下の性感を煽ってきた。そして、――粘液の熱さと臭さが一番実感でき、最も火照らせる場所は、誰にも負けず整っていて、自信のある、この顔なのだ。
「ううっ……」
 頬や額に打ち付けるしぶき、鼻筋を通っていくトロみ。感触をつぶさに思い出してしまった真璃沙は、もどかしげに腰を揺すった。
「ほらっ、言ってごらん? もっと痴漢して、もっとオマンコ、イジってって」
「ああ……」
 もう土橋の奴隷は、一人きりなのだ。そんなに慌てなくても、あの男茎はやがて自分に与えられる。もちろん、その後何度も噴き出す精液も、すべて自分のものだ。でも本格的な陵辱に入るその前に、この自分と「痴漢プレイ」をしたがっている。その要望に応えるのが奴隷の務めというものだろう。
「も、もっといっぱい痴漢して……マ、マンコ触って」
 真璃沙は直裁な言葉を傍の痴漢へと向けた。土橋の男茎と精液を思うあまり、いくぶんフィクションの世界から戻ってきてしまっていた。また役に戻り、徹しなければ。
「んあっ、ユ、ユウキ……、も、飲め……、オシッコも、ムリ……、ああうっ!」
「ま、また……、あんっ……、い、郁男、くん、も、もうオ、オッパイもアソコも、こ、こわれちゃ……はっくっ!」
 汐里と涼子が犯されている嬌声が聞こえていた。そんな声は電車の中にあるはずがない。邪魔だ……。
(集中させろよ、淫乱っ……。……う、……ん?)
 だが、汐里と涼子の喘ぎは、真璃沙に一つの懸念を催させた。
(……あっ!)
 汐里は恋人に、涼子は甥に犯されている。土橋の攻められる途中で――彼らが乱入してきた。まさか?
 土橋が、真璃沙の手ごと吊革を持った。もう一方の手は側身を回って前に及び、サイドからスカートに入って雛先を触っている。――では、背後から脚を撫で回しているこの手は?
「……ブ、……せ、先生!」
 振り返ると、ゴリラが立っていた。本当に興奮した動物さながらに鼻を膨らませ、坊主頭に粒の汗をかいていた。汚く毛深い腕を目で追っていくと、その手は確かにプリーツに忍び込まされて脚を撫で回していた。
「な、なにすんだよっ……、ちょ、やめっ……!」
「あぁ……、アスコエリア……」
 ムフという溜息混じりに、草野がもう一方の手で力強く腰を抑えてきたから身動きができなかった。
「す、すごい……、ゆ、夢のようだ。おぉ……ピチピチだぁ……思っていた通り、い、いや、想像以上だよ……アスコエリアぁ……」
 興奮のあまりフゴッと鼻を鳴らしている。その手はまるで骨董の蒐集家のように、真璃沙の脚肌の重感、質感を余すところなく確かめていた。
『なんかさー、ブサ野って体育の時とか、ウチら見る目、エロくない?』
『あるー。てか、体育かんけーねーし。アイツこないだ、階段の下の方からジーってウチらのこと見てたよ。あの目ヤバすぎじゃん』
 頭の中に、友達どうしの会話が蘇った。真璃沙にも身に覚えがあった。いや、自分は特に、やたら話しかけられるし、何かにつけてジロジロ見られていると思っていた。
 まさか狙われてる? マジで無い。
 だから在学中は、いい歳して独身の体育教師を露骨に毛嫌いして、いつも軽くあしらって逃げていた。
「……ああ、アスコエリアの、カラダ……ううっ」
「せ、せんせ、ちょ、……や、やめてよっ」
「おお……、そうだ、先生にお触りされてるって分かってくれたかぁ?」
「っ! じゃなくてっ」
 会話の成らなさにイラっときて、「ちょっ、触んなって、ブサ野のくせにっ!」
 身を捩り、払いのけようとした手が掴まれた。引かれていく方を見ると、土橋が薄笑いを浮かべ、その手も吊革を握らせて抑えられる。
 ということは土橋は両手を吊革に拘束しているだけで、もう真璃沙の媚肉をイジってはくれていない。この気色悪い草野だけが、思う存分触っているのだ。
 空恐ろしくなった真璃沙は主人に向かって、やめさせて欲しいと目で訴えたが、冷たく鼻笑われた。
「おおおっ……」
 辛抱がきかなくなった草野が狂おしい声を上げ、せわしなく太ももを摩り回してきた。後ろだけではなく、側身も、そして前に回って真璃沙の脚の付け根までをも撫でる。


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