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なりすました姦辱
【ファンタジー 官能小説】

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第四章 漂着した恋人-21

「え、何……?」
 背後でゴソゴソと聞こえ、後ろから真璃沙の頭上に手が伸ばされた。見上げると、壁にはドアノブ型のコート掛けが何個か備え付けられている。
 そこへ土橋が架けた物は、いったいどこで入手できるのか分からない、電車の吊革だった。本来なら座席の上を渡らせたパイプに結われている部分には金属の輪が取り付けられており、本物と同じくらい高さで真璃沙の前にぶら下がった。
「持て」
「は?」
「持つんだ」
 意味が分かぬまま真璃沙は右手を伸ばし吊革を掴んだ。
 また自由を奪って犯したいのか? そうしたいのならば、錠で繋がなければ拘束していることにはならない。いつでも離せる状態だ。これでは、電車に乗っている時とさして変わらない――
(……!)
 真璃沙はギクリとなった。そして改めて自分の体を見下ろした。
 汐里は土橋に、普段働いている時のOLスタイルを指定されたのだろう。涼子の格好はおそらく母親。二人とも土橋に言われ、その服装でやって来ていたのだ――自分と同じく。
 真璃沙が指定されたのはプリーツスカート――、ではなかった。指定されたのは、「高校時代の制服」だった。
 つい最近まで身につけていたのだから、ネクタイを緩めた学校指定のブラウスも、濃緑のチェックのスカートも、紺ハイもローファーも何の違和感もなく身につけることができた。
 高校の制服、そして吊革。
 土橋が、緩んでいた衣服を正し、ベルトを絞りながら戻ってきた。
「服ちゃんと着てないのも、おかしいしね」
 土橋の言葉に、ますます確信を深めた真璃沙は、
「ちょ……、コ、コスプレとかもキモいしっ……」
 部屋にいるときから着ているのだから今更だった。だから非難はするも、壁を向いて動けなかった。
「制服、超似合ってるよぉ? 卒業しても変なショップに売り飛ばしたりしてなくてよかったぁ」
 吊革を掴んで腕を上げている斜め後ろに立たれる。近い。髪で隠したうなじに熱い息が吹きかけられてくる。
「んー、いいニオイだね、お嬢ちゃん……」
 急に囁き声になった。「真璃沙……ここは満員電車だ……。スクバが無いのは残念だけどなぁ」
 さしもの真璃沙も一切を承知した。
 わざわざ制服まで着せて「ごっこ」をしようとしているのだ。何ごっこか? そんなもの一つしかない。
「ひっ……」
 土橋の手のひらが、プリーツミニから伸びる生脚に触れてきた。いきなり掴みかかるわけではなく、触れるか触れないかの微妙なタッチで、ソロリソロリと素肌を撫でてくる。
「や、やめようよ……、こんなの」
「ん……? なんで?」
「なんか、バカらしい。プレイとか」
 話しながらも土橋の手のひらが滑らかな肌触りを堪能してくる。
 性感の中枢ではない。たかが太ももの裏側だ。しかし触り方が妙に生々しく、真璃沙に本気の羞恥が訪れ始めていた。
「痴漢プレイだよ、痴漢プレイ。……今日はキレて騒ぎを起こすなよ? ケーサツの人も助けてくれないからな」
 口を耳元へ近づけられ、より熱っぽい声で囁かれると、真璃沙は眉間を寄せて唇を噛んだ。「今日は思いっきり痴漢させてもらうからな? ……。……お嬢ちゃん可愛いねぇ、高校生だね。じっとして、声とか出したらダメだよぉ?」
 土橋が芝居に入り始めた。吊革を持って姿勢良く立った真璃沙の生脚へ手が添えられ、執拗に撫で回してくる。
 瞼を開きさえすれば壁が見えて虚構だと分かるのに、ゾワゾワとした感触に思わず視界を閉ざしてしまうから、頭の中でリアリティが増長されて肌面をプルプルと震える。
「そう……いい子だ。触り心地いいねぇ。スベスベだ」
 モデルの世界にも芝居はある。撮られる写真全てに「シチュエーション」が設定されていて、セリフも動きも無く、モデルはワンショットのポージングだけで演技をするのだ。
 レッスンではシチュエーションノートから短時間で頭の中にイメージを膨らませ、その世界に自分を入り込ませるトレーニングがあった。そのせいですぐにイメージが膨らむ。しかも吊革という小道具を使い、高校の制服という衣装を身に纏っている。高校時代の自分。学生の身分で髪を派手に染めて、メイクをし、制服もイジって、カッコいい男の子の目を惹くために、友達とはしゃぎ合いながらも、自分ほうが優位であることを何気なく際立たせようとしていた。
 そんな自分が、背後から穢らしい中年に迷惑行為をはたらかれ、文句一つ言えずにいる状況だ。
「しかし、短いねぇ……」
 痴漢男の手が上ってきた。手首にミニの裾がかかり、太ももよりも柔らかい、だが肌触りは変わらず滑らかな脚の付け根へと指先が及んだ。ヒップの下端の輪郭を左右に辿られる。
「あっ」
「しぃっ……」
 身を捩らせたが、太ももに手のひらを添えられて元の位置へと戻される。そしてそのまま手のひらが太ももの内側へと滑り込んできた。
「はっ……ん、やっ……」


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