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なりすました姦辱
【ファンタジー 官能小説】

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第四章 漂着した恋人-12

「ん……わか……っふあ!」グイッと押し付けれられて、亀頭が入口を広げると、汐里は髪を振り乱して何度も頷き、「……っ! わか、わかりましたっ……」
「いい子だ。……じゃ、五回にしてやる」
 その言葉に、体が嬉しさで溶け落ちるかと思った。巨大な肉塊が一気にねじ込まれ、ドンッと最奥に弾ねると、挿れられる直前に肩の後ろに払ったはずの髪が全て前に回ってきた。
「イ、イク……イ……。イイイッ……! ……、……はあっ、……は、……イキましたぁ……」
 襞壁が激しく収縮する。アイマスクの黒みの中に閃光が走って眩ゆい。
「……もうイッたんだ? 汐里は本当にクソビッチだな」
 ビッチ。またそう罵られた。
 だが違う。誰にでも股を開くような女をビッチという。自分は違う。土橋に分かってほしい。自分が求めているのはこの一本だけだ。この一本さえあれば……。
「ああっ、また、イ、イ、イキますっ、イッちゃうっ! ……っ! ……っん! イ、イッ、ふあぁ。……イッでますっ、い、いまっ、いまイッでるぅっ……!!」
 突き抜けてくる衝撃に脳を揺らされても、絶頂の度に何が何でも報告していた。
「マンコの動きがエロすぎて、いつイッるのかわからないぞっ!」
 ヒップを平手打ちされた。大きな音を鳴らして牛馬のように尻肉を打たれたとしても、こうしてきちんと世話をしてくれるなら、土橋の淫欲だけのために存在する家畜になりたい。
「ああっ、またぁあっ、イぎ……、イグ? イッてる……? ……も、もうわげ、わがんなひっ……!!」
 何回めか分からなくなった。少なくとも五回をもう越えている。「だめぇ、おねがいっ、ぬ、ぬがないでぇっ……も、もっどイクぅ……、イギたあいっ……」
 そこへ喉から亀頭が飛び出てくるかと思うほどの一撃がきて昏倒しそうになった。力の弛んだ身体を乱暴に押されると、男茎がズルンと抜け出てベッドへうつ伏せで放り出される。
「あ――」
 執務中と同じくブラウスとタイトスカート、引き裂かれたとはいえストッキングを脚にまとったままでベッドにしなだれた汐里は、また脚の間からチョロチョロと失禁を始めた。
「汐里、仰向けになって脚を開け。前からハメてやる。グズグズするな」
 そう聞こえると、奔流が収まっていないのに、何かに操られるようにベッドの上で緩慢に身を裏返していく。
「自分で膝の裏を持って開け。チンポを挿れやすいようにしろ」
 偶然あった枕に後頭部を収め、両膝の裏を抱え上げ、クロッチを握って花唇を晒した。まだ失せぬ痙攣に足先を跳ねさせて、チョロッ、チョロッとシーツに向かって水柱の放物線を描く。
 脚の間のシーツが凹んだ。
 土橋が膝立ちで迫り来る姿が想像された。きっと漏らしっぱなしの自分を蔑んだ、淫欲に歪む醜貌をして。
「あひっ!」
 再び男茎が入ってきた。待ってましたの感触で、接合を果たすや絶頂が訪れるものと思っていた。
 ――が、一瞬高まったものの、あと少し頂点には届かなかった。間を置かず、もう一打くれたらおそらくは……。
(……!!)
 下腹部にもたらされた違和感、しかし身に覚えがある挿入感に、卑しき獣から引き戻された汐里は慌ててアイマスクを取った。
「ユウキッ!」
 久々に眼球に浴びる光の中、須賀が残虐な形相で自分を見下ろしていた。




「訴訟ですって!?」
 彼の会社近くの喫茶店で大きな声を上げた須賀は、周囲の目線に慌てて息を飲み、体裁を取り繕う咳払いをした。
「ええ、弁護士に相談したら、パワハラで十分、慰謝料が取れるケースだって言われましてね」
 保彦は土橋が須賀にどのような扱いを受けていたかは全く知らない。「まあ、ネットの評判を調べたら、そういう訴訟を専門にしてる怪しげなセンセイっぽかったですけど。でもまあ私としては、休職中でちょっと金に困ってましてねぇ」
「パ、パワハラって、あんなのがパワハラになるわけないじゃないですかっ。周りのみんな、俺の方が正しいって言ってたんだからなっ」
 だが須賀は青ざめていた。彼にとっては、覚えのないパワハラで糾弾されることよりも、訴訟を起こされることじたいが相当マズイことだということだ。
「とは言っても、実際に俺、メンタルで休職しちゃってるわけですから。医者に診断書も書いてもらってますしね」
「……あんた、まさか……」
「まさか、って何です?」
「お、俺を脅迫しようとしてるんだろう? そんなこと言って……」
「いや、それこそまさかですよ」
 保彦は内心ふきだした。あんたの大事な女は、俺が土橋と会う前から脅迫されてたけどな。そうほくそ笑み、
「でもまあ、須賀さんが困るっていうなら、ちょっと考えないわけでもないですけどねぇ……?」
 須賀を嫌悪の顔へと曇らせた。


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