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なりすました姦辱
【ファンタジー 官能小説】

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第二章 報復されたシングルマザー-24

 残響がするほどの声を上げた涼子は、縮めたいのに手足を繋ぐ鎖が張ってこれを妨げる身をのたうたせて絶頂に達した。
「はあっ、すごいマネージャー……。オバサンのくせにオマンコ、キュッてなってるっ」
 性楽の絶頂から容易には降りてこられないよう、汐里が陰湿に指先でクリトリスを責めて余韻を長まらせる。同性だけに最も遣瀬なくなる圧は心得ているようだ。
「ね。ちゃんと、イ、イかせたよ……?」
 汐里は指を動かしたまま、仕事をしっかりとこなしました、とでもいうように、期待に満ちた目を保彦へ振り返らせた。
「馬鹿。ドスケベな宮本マネージャーを一回イカせるなんて、そんな簡単なお題を出すわけがないだろ?」
 汐里に対してではなく、まだ絶頂の引き波が終わらず陶然となっている涼子の頬に手を添え、至近に顔を覗くと、
「十回だ。十回イカせろ」
 と言った。その数字に虚ろから醒めて目を開いた涼子だったが、汐里が「もうやだよぉ」と文句を言いつつも玩弄を再開したから、忽ち魘されたような顔でまた悶え始めた。
「……どうです? 気持ちいいでしょ?」
 絶頂直後だから、もともと性感は高みにある。再度のエクスタシーはすぐそこに見えているはずだ。恐れ慄く涼子へ、
「キス、しませんか? 宮本マネージャー……。いや、涼子……イヤラしいベロチューしながらイッたら気持ちいいですよぉ?」
「うっ、だ、誰が……」
「汐里! 涼子マネージャーはオマンコの中、上の方が好きだぞ」
 予想通りの涼子の拒絶を聞くや、犯した時に気づいていた性感の弱点をすぐさま教えた。
「うん……。オバサンのオマンコ、傷ついちゃうかなぁ」
 爪のことを言っていた。今の汐里ならそれでも指を突っ込んで掻き回しかねない。猟奇的な攻めにはしたくなかったから、
「おい、コレ使え」
 と、最初隠れていたホワイトボードに備わっていたマーカーペンを数本テーブルに転がした。
「あはっ……、こんなの突っ込んじゃう? スッゴぉい」
 背を向けているので顔は見えないが、汐里は普段よほど怖れを抱かされているのか、それが反動となって涼子を責める狂喜の虜となっているようだった。
「汐里、ちゃんと柄のほうだぞ? ペン先とか挿れるなよ?」
「フリ? それ? こっち挿れたら、中スゴいことになりそぉ……」
 やはり。念の為だったのだが、瞳を充血した汐里ならば本当にやりかねなかった。
「馬鹿。やったらもうお前とは二度とオマンコしないぞ」
 すると汐里は途端に甘え声となり、
「やん、そんなっ。……わ、わかってる。し、しないよ。絶対、しないからっ」
「わかったら、とっととペンでジュボジュボして、涼子マネージャーをイカせてやれっ!」
「ひ、広瀬さんっ、やめてっ!」
 恐ろしい会話を聞かされていた涼子が、保彦の手に頬を包まれたまま大声を出し――、うっ、という表情に変わった。
 恭順な汐里によってペンが秘門へと挿し込まれたのだ。
「ああっ、ああっ……」
 保彦が教えた場所を、柄は的確に攻めているようだった。身を仰け反らせて悶える涼子を鑑賞し、
「ベロチュー、しませんか?」
 ともう一度問うた。涼子が手のひらを押し返すように首を振る。
「汐里っ! もっとだ」
「うっ、や、やめ……、……やあぁあぁっ!」
 涼子がまた絶頂を迎えた。その瞬間の顔はイヤラしく、そして時を忘れて見惚れるほどだった。
 十回を目指し、休むことなく汐里がペンと舌で攻め立てる。すぐ涼子に次の極まりがやってきていた。汐里の手も疲れるだろうが、最も辛いのは、当然のことながら余韻に浸ることも許されず間断なく色攻めに遭い続ける涼子だった。
 頬に添えた手のひらに熱い雫を感じた。目尻から溢れた涙が濡らしてきた。その粒を伸ばした舌先で舐め取ると、無念さが滲んだ濃厚な塩辛さだった。
「汐里っ、まだ足元に何本もあるぞっ! 見えないのかっ」
 この涙をもっと舐めさせてくれ。保彦は気の利かぬ汐里を責めた。
 途端に涼子の顔がブルブルと震えて、赤く艶かしい唇が開いて嬌声を放った。開いた脚からカチ、カチ、とマーカーどうしがぶつかって鳴る音が聞こえてくる。
「んと……、あ、あと何回、……だっけ」
 夢中になりすぎてカウントを失念した汐里が呟くと、
「……あと、何回、でしたっけ?」
 保彦は涼子に問いかけた。きっと数えているはずだ。そうでなければ責苦に耐えていられるはずがない。
 唇が動いたが全く聞き取れず、閉じた瞳からまた涙を流すものだから、舐め取らずにはいられなかった。麗しくメイクされたアイラインを舐め上げ、
「あと、十回、でしたっけ?」
 これまでの絶頂は無かったことにしてやろうとすると、
「ちち、ち、ちがっ! ……、あと、さん。三回。……さ、三回よっ……」
 と必死に訴える。
「じゃあ、あと三回。思いっきりイッてください? ……汐里。一本追加だ」
 涼子がフルフルと首を振った。ずっと添えている頬に、その怯えた振動が心地よく伝わってくる。


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