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なりすました姦辱
【ファンタジー 官能小説】

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第一章 脅迫されたOL-8

 マットレスの上で座ってタバコを吸っていると、土橋と、もう保彦の中では完全に見目の良くない中年女性として描かれた彼女がセックスをしているところを想像しそうになって慌てて打ち消した。まだ痛む肺から煙を吐き出しつつ、改めて周囲を見回し、いくらヤリたくてもこんな汚い部屋でヤろうとするのかな、と会ったこともないリリを蔑んだ。魂が入れ替わっていなければ、この醜男の排出した汁だけでなく、リリの淫りがわしい分泌もシーツに染み込むことになっただろう。




 悩ましい曲線を呈する下肢に張り付いたパンストが握られた瞬間、汐里は慌てて捲ったタイトスカートの裾から手を離して振り払おうとした。しかし間に合わずに大きく裂かれてピンクのショーツが晒されると、
「バカッ、なんてことすんのよっ、変態っ!」
 と叫んだ。
 その罵声が保彦には悲鳴に聞こえて、汐里が自らスカートを捲って下着姿を露出させた時から――、いや、この美人OLがこの部屋を訪れた時から漲っていた男茎に更に血潮が充ちてビクンッと腰が慄いた。しゃがんでいられず床に膝を付く。射精してしまったかと危ぶむほどの先走りの汁が迸っていた。
 汐里が現れたのは日付が変わる直前だった。スカイブルーのペンシルスカートにウエストラインを絞った立襟のブラウス、黒いカーディガンを羽織った姿。緩やかに巻かれて肩にふわりとかかる髪と、華やかに施したメイクが学生では出せない、既に充分大人に足を踏み入れているあでやかさを醸していた。
 汐里もまた部屋に籠るニオイに顔を曇らせた。保彦に招き入れられると腕組みをしたまま暫く睨んでいたが、対峙している時間を無駄に思ったのか、肩で大きく息をつき、パンプスを脱いで部屋に上がった。部屋の中でも玄関先と同じ立ち姿になって、土橋という男を汚い物として心の底からの侮蔑の目で見ていた。片脚を投げ出すように伸ばして斜に立った汐里は、保彦が勝手に想像した中年女とは似ても似つかぬ華やかさで目を引いてくる。
「どうしたんだい? もっと寛いでくれていいんだよ」
「……マジできったない部屋。ああ、もぉっ!」
 土橋に対してか、それとも別の事にか、イラ立ちを吐き捨てる。部屋を見回しもしない。爪先立ちで、なるべく大股で部屋の中に進んできたところを見ると、保彦がこの部屋に足を踏み入れた時と同じく、ベージュのストッキングしか裸足と床の接面を遮るものが無いのが苦痛なようだ。
 保彦は憮然とした表情の汐里を、好虐を隠さずに眺めた。汐里には、土橋というキモい中年がキモい笑いを浮かべているように見えただろう。
「そう……、こんな汚い部屋で俺とセックスするんだよぉ、広瀬さん? ふふっ……、ドキドキするでしょぉ?」
 こんな気色悪いセリフ、保彦の本心から湧いたわけではない。多少、というより、かなり芝居がかって選んだ言葉だ。これが土橋の醜貌と相俟って、汐里の悪寒が嵩増しされたのが面白いように伝わってくる。
「キッモ……。ほんっと、バカみたい」
 薄く嘲笑を浮かべたが、その美貌の片隅には明らかな狼狽と憂虞が垣間見えた。保彦の胸の中に密やかな昂奮が広がっていくと、呼応した土橋の下半身が、もう充分漲っているのに更に蕩けそうな疼きを男茎へ充填した。
 目の前にいる広瀬汐里の美しさ。いや、エロさと言っていいだろう。保彦が勝手に頭に描いていたオバサンが実は大人っぽい美人OLだっただけでも、ギャップによる卑猥さを感じるのに、加えて男を挑発するような濃く鮮やかなアイラインが似合う顔立ちで、その勝気さから不遜な態度を示さずにはいられない女は、保彦の劣情をとにかく煽ってきた。
 しかもこの部屋に呼び出され、渋々ながら応じてしまった自分にこれから降りかかる苛厄が気になって、土橋の様子がいつもと違うことを、さほど気にしていないのは実に好都合だった。
「そんなことはどうでもいいよ。さっそく始めようよ」
「……」
「エッチだよ、エッチ。させてくれるんでしょ?」
 保彦の言葉に、汐里の瞳が細まる。もちろん、汐里のような女にとっては――さぞかし男によくモテるのだろう――いつもなら相手を選ぶほうの立場にあるのに、土橋のような見栄えのしない奴に、何のムードもなくセックスに誘われることがたまらなく屈辱なはずだ。
「あれあれぇ、コワくなっちゃったのかな?」
「べつに。……あんたみたいなヤツ、どうでもいいし」
 煽ってやると、予想通り強がって見せてくれる。
 今まで女性の前でそんな仕草をしたことはないのに、舌なめずりをした。するような局面があっても、普段の自分ならばカッコ悪くてとてもできない。だが今の保彦には土橋の姿を借りて遠慮なくすることができる。
 醜男が美しい女を拝跪させる。陵辱モノのエロ動画で見かけるようなシーンだ。だが作り物で、演技という点では全く話にならないAV女優と違い、憮然として、いちいち反論してくる汐里の様子は本気で土橋を嫌悪し、屈辱を感じている。
 ――届いたピザをマットレスの上で食べながら、何気なくメッセージアプリの『リリ』との会話履歴を開いた。いきなり『最悪』だとか『いいかげんにして』、果ては『死んで』という言葉が目に飛び込んでくる。


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