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水晶玉の告白
【SM 官能小説】

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水晶玉の告白-10

彼の手によって首が絞まり意識が朦朧となり始めたとき、私の肉洞が千切れるように烈しく
収縮をはじめ、小刻みに震えだす。意識は薄れてくるのに私の中の欲望は夥しい蜜液を滴らせ
ながら確かに解き放たれ始めていた。

そして一瞬、私は烈しくのけ反り、彼のものを強く喰い締めた。男はわたしの首から手を離さ
なかった。窒息しかかったわたしは、意識を失い始めると同時に肉奥を烈しく痙攣させ高みに
達したのだった。


気がついたとき男はすでに衣服を着て部屋を出ていくところだった。わたしを殺そうとしたの
かしら…と、男の背中に言葉を投げると、彼は薄く笑いながら首を横に振った。おれは苦痛を
欲しがる女が好きなんだ。そう言い放つと男は部屋を出て行った。



ぼくにとってこの世で一番美しい女は、水晶玉に囚われた女だ…。わたしの背後で安河内の声
がした。それはとても不思議な響きをもった言葉だと思った。わたしは水晶玉の光に導かれる
ように彼の手を受け入れた。わたしの背中に寄り添った彼は、背後からわたしを抱きすくめる
ようにしてブラウスの胸元のボタンを繊細な手つきで一つずつ丁寧に外し、スカートのファス
ナーをおもむろに下げた。きみが心とからだに纏った不要なもののすべてを剥がさなくては、
あの水晶玉はきみを見ることができない。彼は耳元に息を吹きかけるようにつぶやいた。

彼は床に跪き、黒いストッキングに包まれたわたしの足先からハイヒールを優しく脱がせると、
何も言わず物憂い笑みを見せた。わたしの中に溜まったものが蕩けはじめ、ふたりのあいだの
空気は息苦しいほどの香りを含み濃厚になる。

あの水晶玉はきみの告白を求めている。そう言った彼の言葉でわたしはようやく快楽を予感す
ることができた。わたしの脚から彼は丁寧にストッキングを剥いでいく。わたしの咽喉が急速
に渇きはじめる。スリップの肩紐がずり落ち、縮み込んだ下着が足首から取り去られる。肌の
すべてが剥き出しになるのに時間はかからなかった。すべてが流れるような彼の行為だった。
私は裸にされた。いや、正確にはまだ彼の前で裸になってはいない。なぜなら私は何も告白し
ていなかったから。


完璧な肉体をもった男はわたしに禁欲を強いる。身動けなくする。それはわたしに対する過酷
な罰でもある。わたしがわたしになれない罰なのだ。安河内との初めて接吻は禁欲に充ちてい
た。彼の蠱惑的な視線と優雅な鼻梁の蠢きに惑わされるように唇がふさがれた。

彼の舌が甘い匂いを運んでくる。わたしの肩のあたりが新たな呼吸をはじめる。彼の柔らかで
冷ややかな唇がわたしをついばみ、私の中に媚薬のようなとろりとした唾液を注ぎ込む。

媚薬はわたしのからだを強ばらせ、心の隅々まで縛りつける。彼が強いる禁欲はわたしの心と
からだに藻のように絡み、蚕の引く糸となってわたしを覆い尽くす。わたしはもがき、喘ぎ、
息の根を止められようとする。

彼の掌がわたしの首筋を這い下がり、乳房を捏ね、腰のまわりをなぞり、尻を撫でまわす。吸
いつくような彼の掌の感触がわたしの体温を奪い、恍惚とした飢えへと導き、麻薬の幻覚へと
陥らせる。彼は力を失ったわたしのからだをソファに座らせた。


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