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「ガラパゴス・ファミリー」
【近親相姦 官能小説】

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前章(二)-8

 ──抱き締める二の腕に逞しさを思い、息が掛かる距離からの熱い眼差しに思わず、引き込まれそうになる自分を感じた。そして、無理矢理させられた生まれて初めての接吻。逆上せて茫然とした頭で、柔らかい口唇の感触に少し驚いたのを覚えてる。

(それに、あの……)

 熱に浮かされた状態の中、夕子は、股の辺りに熱く、硬い物の存在を感じた。
 彼女とて未通女(おぼこ)では有るが、当たっているのが伝一郎の陰茎で、如何様な状態なのか位は想像出来る。が、そうさせたのが自分で、何故、そうなったか迄は、解らない。
 やがて、優しい抱擁だった動きが次第に荒々しくなるにつれて、当たっていただけの陰茎が、何度も擦り付けられていた。

(その内、荒い息遣いが聞こえて……)

 ──その先は、舌を突然入れられた不快感だけが頭の中を支配し、途中の記憶は無い。唯、薄れ行く記憶の中で、気持ち良さと下腹部が熱くなった様な気がした。

(それから……)

 伝一郎の部屋を出た後、夕子は直ぐに、身体に異変を感じていた。
 内腿の付け根辺りに、何かが伝い落ちる感触。夕子は、慌てて御不浄へ駆け込んだ。

(おかしいわ。この前、終わったばかりなのに……)

 もしや、“月の物”が始まったのかと思い、不可解さが先走る。一週間程前に終わったばかりだったからだ。

(厭だわ。又、あれを着けなきゃならないのかしら……)

 夕子が苦い顔をする──。月の物が始まった婦人は、ゴム製で褌(ふんどし)の様な形をした“月経帯”と言う物を、秘部に脱脂綿や紙を当てがって穿くのだが、その際、内腿の皮膚が擦れて痛く、湯が染みる事が堪え難い程なのだ。

「でも、仕方ないわね」

 為ってしまったのは致し方ない。が、取り敢えず、滴る分について、きちんと措置を施さないと床を汚し兼ねない──夕子は、徐に袴の紐を解いた。

 袂の中から、手拭いを取り出す。先ずは、此れで綺麗に拭き取り、後は部屋に戻って月経帯を着けようと算段した。
 緩んだ袴の隙間から手拭いを差し込み、手探りで“汚れ”を拭った。が、よく見ると手拭いには、目立った汚れは何処にも無い。夕子は、驚きと共に困惑の顔になる。

「ど、どう言う事なの……これって?」

 下腹部の奥が、微かな熱を帯び、心が、ぞわぞわとして何とも落ち着かない──。月の物に為る直前の、あの感覚に違いないと思っていが、実は、そうでは無いと判明した事で、更に不安が広がって行く。

(まさか私……知らない内に粗相を……)

 そんな、思案に暮れていた矢先、再び内腿を伝い落ちる感触を覚えた夕子は、「直に確かめてみよう」と、自ら、ズロースの中に手を突っ込んだ。

「やっぱり、濡れてる……」

 指先で擦り合わせて見ると、小便とは違う、滑り気の様な物を感じ取れる。夕子は更に確かめようと、漏れの元である秘部へと指先を伸ばした。

「あんっ!」

 指先が女陰(ほと)に触れた刹那、夕子は、身体の中を何かが駆け廻り、脳天へと突き抜けた様な感覚に見舞われた。
 初めて知った“心地好さ”に夕子は堪え切れず、自分でも信じられない程の、嬌声(きょうせい)を発していた。


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