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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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サーガの過去-7

 炎上する車を見ると足が震えそうになるマギー。ニュースで良く自爆テロの映像を見るが、しかしそれは自分にとって現実的ではなく、映画のワンシーンを見ているような感覚であった。これからいとも簡単に刑務所の敷地に入り込み爆弾を仕掛けてしまうテロリストと対峙して行かなければならないのだと思うと逃げ出したくなってしまう。
 「私、死んでたかも知れないんですね…。」
マギーは恐怖に脅えながら言ったのにも関わらず、若菜は笑って答えた。
 「ハハハ!あっちもこんなんで私が死ぬとは思ってないわよ。 挨拶代わりの一発だったんじゃないの?サーガも私の生死なんてきっと気にしてないわよ。また会ったね、これから宜しく…そんな感じじゃん?」
 「へっ…?」
自分は死にかけたと思っている所での若菜の軽さにマギーはポカンと若菜を見つめる。
 「のしつけて挨拶返ししなきゃねー。何か考えなきゃ…。」
若菜だってテロリストは初めて相手する脅威だろう。しかし微塵も恐れていない。その神経に感服しながらも理解は出来なかった。
 「テロ、恐くないんですか?」
 「はっ?恐いに決まってんじゃん。私は警察入ってから恐くない事なんてなかったわ?いつも恐いし。田口を追ってた時はもし自分がレイプされたらと思うと毎晩悪夢を見たわ?今回サーガを追ってても、いつテロに巻き込まれるのかずっと恐いわ。でも恐いのと物怖じするのは別物でしょ?私は恐怖を認めて戦ってるのよ、いつも。」
 「恐怖を認めて戦ってる…」
 「ええ。だから人より周囲の事を敏感に感じ取れるんじゃないかな?能力じゃない。常に気を張ってるからこその賜物よ。」
 「…」
自分とはまるで物の考え方が違う若菜に何も言葉が出なかった。若菜は恐怖と言うものを知っている、自分は知らない。恐怖と言う抽象的な物に脅えているだけの猫のようなものだ、そう気付いた。
 「まぁ刑事を続けてればそのうち体験できるわよ、恐怖なんて、いくらでも。ま、私と一緒にいれば地獄を見せてあげる事も出来るからね。グフフ…」
恐怖を楽しんでいる訳ではないのだろうが、恐怖に怯まない精神力には圧倒されてしまう。
 「でもね、本当の恐怖を知っているのは犯罪被害者なのかも知れないわね。私達は少しでも世の中から恐怖を排除してかなきゃならないのよ。分かる?」
 「はい…。」
真剣に答えたマギー。しかし若菜はマギーをからかう。
 「本当に分かってんのぉ??」
 「わ、分かってますよっっ!」
 「本当〜?」
 「はいっ!(しつこいなぁ!!)」
 「ふ〜ん。ならいいけど。」
そう言ってニコッと笑った若菜は再び炎上する車に目を向けるといつの間にか真顔に戻っていたのであった。


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