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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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サーガの過去-1

 相変わらずワイドショーを見ていてナビを使わせてくれない若菜。スマホをいじろうとすると運転しながらスマホをいじったら違反だと言われ、強引にナビに切り替えると怒り出すと言うワガママぶりを発揮する若菜に苛々しながらも何とか東京刑務所に到着したマギー。東京で道に迷ったら完全にパニックになる事は確実のマギーはどっと疲れが出る。
 「ほら、行くよ?」
若菜はさっさと降りて刑務所の中へ入る。
 (刺したい…後ろから刺したい!!)
自由奔放な若菜に思わず殺意を抱くマギーであった。
 しかし若菜に着いていくと楽である。面倒な手続きがいらない。若菜の顔を見ただけでたいていの受付は通れる。さすがにこの時ばかりは若菜の偉大さを思い知らされるのであった。
 今日訪れる事は昨日言っておいたので話は早かった。所員に案内され面会に向かう。
 マギーは初めて入る刑務所に独特の雰囲気を感じた。閉鎖的で冷たいコンクリートに囲まれた建物は体感温度を低く感じさせる。自分が復讐を終えた後、この冷たい場所で生きていかなければならないのかとか、若菜はこんな場所で過ごしていたのかとか、様々な事を考えてしまう。
 面会室に入り椅子に座り深野浄京を待つ。ゆがてドアが開く音がしてガラスの向こうに深野浄京が現れた。初めて彼を見るマギーの目にはやはり凡人とは一線を画す雰囲気を感じる。しかし髪の毛も髭も伸び放題の深野浄京は不潔っぽく見える。
 「こんにちわ。」
 「君か。」
素っ気なく言った深野だが、どこか再会を喜んでいるようにも見えた。
 「フーッ…」
若菜は目を閉じ手を合わせる。
 (でたよ…)
溜息をつき呆れるマギー。やる事は分かりきっていた。マギーの隣の若菜の体が宙に浮いていく。
 (本家の前で良くできるわ、この人…)
その神経の図太さにさらに呆れた。しかし予想外にも深野の様子がおかしい。
 「な、何と…!未だに浮体できるとは…!」
人によっては若菜のように深野に接した人間は一時期だけ超力を身につける事があるが、その効力はすぐに消える。それが消えずにまだ残っていると言う事は若菜の潜在能力が開花した証拠であった。
 「君には驚かされるばかりだ。神の領域に入った訳だ。それだけではないだろう?自分の意のままに常識では考えられない能力を自在に操れるんじゃないか?」
 「まぁね。」
若菜は宙に浮きながら受刑者とを隔てるガラスに寄る。そしてマギーの目を疑わせる光景が…。
 「えっ!?え〜っ!?」
マギーの見ている前で若菜はガラスを通り抜け深野のいる向こう側に入ったのであった。
 「そ、そんな馬鹿な…!」
マギーは瞳孔と口を開かせて超常現象に唖然としていた。それは深野についていた所員も同じであった。自分もあんな間抜けな顔で見ているんだろうなと思いながら若菜の姿を見つめていた。


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