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アダルトビデオの向こう側
【熟女/人妻 官能小説】

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9.サイド・ストーリー『海山和代の初体験』-3

「念のため言っとくけど」
 ケンジがガウンを脱ぎながら言った。
「処女喪失って、全然気持ちよくないんだぞ。痛いだけで」
 海山和代は花柄の布団を鼻までかぶって、すでに真っ赤になっていた。
「いいんです。痛かろうが苦しかろうが、あたしはケンジさんに抱かれるだけで気持ちいいって思えるはずです」
「何を根拠に……」
 ケンジは小さなため息をついた。
「いやん! 相変わらず素敵っ! ケンジさんの身体、くらくらしちゃうっ! こんなに間近で見られるなんて! もう、どうすんのどうすんの!」
 海山和代はベッドの横に立った下着姿のケンジの身体を見て大興奮した。
「早く、早くっ!」
 ケンジはまたため息をついて、掛かっていた布団をそっとめくった。
「お、おまえもう全裸かっ!」
 胸も秘部も隠そうともせず、海山和代は両手を伸ばしてケンジを求めた。
「早く、早くっ! 早く入れてっ!」
 ケンジは思い切り呆れ顔をして海山和代を見下ろした。
「あのな、セックスってのはムードってのが大切なんだ。おまえも何度もセラピーの様子を見て解ってるだろ?」
「だって、あたしケンジさんと早く合体して一つになりたいんですもん」
「合体って……おまえに甘いムードを求めるのは無理だったか……」
 ケンジは気乗りのしない様子で海山和代と並んで横たわった。そして身体を横に向け、言った。
「頼みがある、海山和代」
「何ですか?」
「おまえ、最中はできるだけしゃべるな」
「えー、どうしてですか?」
「何度も言ってるだろ? ムードが大切だって。ムードってわかるか? 甘い雰囲気」
「あたしがしゃべるとその甘い雰囲気が壊れるとでも?」
「壊れる。だから黙ってろ」
 海山和代は一瞬口をつぐんだが、すぐにケンジに目を向けて話し始めた。
「そうそう、いつかお訊きしたかったんですけど、ケンジさんってバイですよね? やっぱり相手が女と男じゃ違うものなんですか?」
「な、何を言い出す、急に」
「いや、セックス心理学者としての興味です」
「何だよそれ、『セックス心理学』なんてカテゴリーがあるかっ」
「こないだのケンジさんの男性クライアントとのベッドイン、とっても素敵でした。まるでゲイのドラマ観てるみたいでした。でもあれ見ててもあたし違いがよくわからなかったな……」
「セックスの基本は同じ。お互いがお互いの人格に敬意を払い、常に相手を気持ちよくさせようっていう行為だからな」
「おお、なるほど」
「それがうまくいかないカップルが相談にくるわけだろ? 俺たちのところに」
「まあ、そうですね。そう考えるとケンジさんって誰にでも優しいし、相手を気持ちよくさせることができるから、この仕事最適ですよね」
「褒めてくれてありがとよ」
「でもケンジさんの現実の同性の愛人ってケニーさんでしょ? どういうきっかけだったんですか?」
 ケンジは困ったように口をゆがめた。
「ケニーは元々バイだったんだ。俺は純粋なストレートだったが、あいつに調教された」
「調教?」
「なんかあいつに求められると自然に受け入れたくなる。変な雰囲気を持ってるんだよ」
「ケニーさん、とにかく明るくて、ポジティブなのに加えて色気もたっぷりあるから、親友のケンジさんもすんなりその気になったんでしょうね」
「そんなとこだろうな」
「ごめんなさい、変な話題になっちゃいましたね。さ、始めましょう」
 海山和代はにこにこ笑いながらケンジの首に腕を回した。
「ちょっと待ってくれ」
 ケンジは身体を起こし、ベッド脇のサイドテーブルに置かれていたアイマスクを手に取ると、それを自分の目に装着した。
「ちょっと、ケンジさん、なんで貴男がアイマスクするんですか? しかもこのタイミングで」
「え? いや、何となく……」




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