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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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男嫌いのマギー-10

 自分の闇を吐き出したマギーはようやく視線を動かした。
 「今言った事は忘れて…。絶対誰にも言わないで。」
 「…。」
ウンとも言えない。刑事としては完全に間違っている。しかしマギーの苦しみは理解出来る。マギーが復讐に燃えるのは当然の事だし、人間なら誰でもそうだろう。あの若菜でさえその道を選んだ。自分ならどうする?刑事として正しい道を選べるのか?杉山は頭の中で自問自答を繰り返した。
 「私は男が信じられない。余計、目の前でそれまで紳士的で理性ある人だと思っていた刑事の豹変する姿を目の当たりにしてしまったから。そして今、あなたが私を抱いていたなら迷わず二度と男は信じなくて済んだのに。あなたのせいでまた少し迷いそうだわ…。」
 「えっ?どういう意味…?」
 「そういう意味…。」
 「…」
マギーと目が合うと杉山は思わずドキドキしてしまった。
 「ねっ、LINEしよっ?これから相談に乗って?色々と。」
 「あ、は、はい…。」
 「ありがと。ちょっとあなたで試して見る。まだ私に男を信じる事が出来る気持ちがあるのか、ないのかを、ね?」
 「えっ?何??実験台っすか??」
 「いーじゃん。実験台でも私の信頼を得れば、こんな美人のバージンのプレゼントがあるかも知れないのよ…?」
ちょっと恥ずかしそうに言ったマギー。
 「え?ま、マギーさんって…処女なんですか!?」
 「わ、悪い!?だって少女時代に男にトラウマ持って今まで来たんだから仕方ないでしょ!それともなぁに??28にもなってバージンだなんて恥ずかしい女だとでも言いたいの!?」
 「い、いや…そんな事ないっす!」
 「ソッ。ならいい。」
ちょっとふて腐れてソッポを向くマギー。正直な話だ。マギーは男性経験どころかキスも未経験だ。手さえ繋いだ記憶もない。本来ならホテルで男との2人きりな状況など考えたくもない程であった。杉山はどうしていいか分からずにいるといきなりマギーの寝息が聞こえて来た。
 「スーッ、スーッ…」
と。
 (ね、寝ちゃったよ…)
杉山はソッとベッドから降りる。そしてマギーの寝顔を見つめていた。
 (俺はこの人を救いたい…。何とかして正義感を正しい方向に向かせてあげたい…。)
若菜は言うまでもなく素晴らしい刑事だ。しかし昔のではなく今の若菜を手本にしてもらいたい…杉山は切にそう思っていた。そしていつの間にか床に寝転びそのまま寝てしまった。


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