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53歳の幼なじみ
【幼馴染 官能小説】

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53歳の幼なじみ-5

目覚めると朝だった。何年ぶりかのセックスのせいか、夜中、トイレに起きることもなく、熟睡したらしい。
隣に寝ていたはずの冴子はいなかった。
大きく伸びをし、エイっと弾みをつけてベッドを下りた。下半身素っ裸の自分に気付いた。
ベッドの中にパジャマはあったが、パンツが見当たらなかった。パジャマだけを着け、台所をのぞいた。

「あ、おはよう。もう少ししたら起こそうかと思ってたんよ。朝刊、そこにあるでしょ、そこ、そこ、うん、それ」
「冴ちゃん、パンツがないんやけどなあ、知らんか?」
「えっ!、パンツ?、お兄ちゃんのパンツなら今洗濯しとるよ」
「洗濯って、夜、風呂に入ってはき替えたパンツもかぁ?」
「うん、ベッドにあったパンツ」
「はき替えたばっかりのきれいなやつなのにぃ!!」
「でっも〜〜、なんか濡れたようなシミがあったし、におったらお兄ちゃんの匂いがしたし・・・・」
「おまえ、匂ったん?、ねえ、冴ちゃん、俺のパンツ匂ったん?、うっわ〜っ、イヤらしっ!!」
「何言うてんのん、そんなんじゃないでしょっ!!、それより、朝ご飯、パンでごめんね。お兄ちゃん、和食の方がええんやろうけど、時間なかったんよ。あしたからちゃんとするから、ねっ!!。だから、トーストと生ハム、生野菜、牛乳、コーヒー、こんだけっ」
「十分や、これだけ全部、食べられんで。でも、冴ちゃんは?、冴ちゃん、食べへんのか?、ダイエットしとるんか?」
「朝はあんまり食欲がわかんのよ、昔から」
「体に良うないやろが!」
「そうでもないよ、ちゃんとサプリで補ってるもん」
「ふ〜〜ん」

無言の時間がしばらく続いた。
私が新聞をめくる音、カップを受け皿に置く時の音、「もぐっ、パリッ」という食べる時の音……
フッと顔を上げると、テーブルに両手で頬杖をついた冴子が、私の方を優しい目でみつめている。
かじりかけのトーストを冴子の口元に近づける。
冴子は「あ〜ん」と口を開けて、パリッと一口噛みちぎり、微笑んだ。
再び新聞をめくる音・・・・・・・・冴子が皿に手を伸ばし、残った野菜をつまんでいる。

読み終えた新聞をたたみ、脇に置いた。冷めかけたコーヒーをすすった。
テーブルに両肘をつき、私をじっと見ている冴子と視線がからみ合った。
う〜っとり、といった表情だ。

「何や、冴ちゃん、気持ち悪いなぁ。男前の俺に見とれてんのかぁ?」
「うううんっ、ち、が、う。お兄ちゃん、男前じゃないもん。お兄ちゃん、55のおっさん」
「うっ、そ、そ、そんなこと、言われんでもわかっとる」
「わたし、53のおばさん」
「そうやっ、そやからどうやって聞いてんのっ!!!、なんやニタニタしてるみたいで、ほんま気味悪っ、冴子は!!」

少しの沈黙の後、冴子が口を開いた。

「ふふっ、ふふふっ。変よねぇ!、おかしいよねぇ!、50過ぎた男と女が、夫婦でもないのに、こんな風にしてるなんて……。でもね、お兄ちゃん、私、すごく気持ちが安らいでいるの、和んでいるっていうか、しあわせを実感しているっていうか……。こんな時間、こんな場面、ものすごく自然なの。自分でもおかしいくらい。きのうの朝ね、お兄ちゃん、私を抱きしめて首とかにキスしたでしょ!?。あん時、そりゃぁびっくりはしたけど、イヤじゃなかった。おとうさんをホームに送り届けて帰る途中、何でだろう?って、考えたの」


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