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ヒューマン・ロール・プレイ
【調教 官能小説】

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〜 特訓終了 〜-3

 確かに私は成績に拘ってきました。 人より前に、人より上に……そう思って幼年学校で勉強に励んで、一度も首席を譲らずにここまで来ました。 勉強が好きなわけじゃありません。 勉強するのは、どちらかというと大嫌いです。 ただ、人に負ける方がもっと嫌いなだけ。
 
「だったら1番にならなくちゃ。 口に出した方が頑張れると思うよ」

「……」

「一緒に特訓してて、ずっと思ってた。 誰かがトップになるとしたら、2番さんみたいにガツガツしたコなんだろうな、って。 変にいい人ぶるんじゃなくて、自分に真っ直ぐで、色々考えて動ける人じゃなきゃ、ここで一番になる資格はないんだって思う」

「……」

「2番さんって、自分のために特訓したんでしょ? 特訓に入った時に、誰かのためっていってたけど、あれって半分くらいは本当かもしれないとして、基本的にはその場だけだよね? 全然本心っぽくなかったし、クラスでも、いつでも上手に切り抜ける方だもん。 わざわざしんどいところにいくなんて、2番さんの柄じゃない。 キャラじゃないもの」

「あのねえ……」

 呼吸を整え、私は22番さんを睨みつけました。 こっちが黙ってれば、いい気になって断定してくるなんて、ウザったいを通り越してイラっとします。 

「人を勝手に決めつけるのはいいですけど、口にするのは失礼です。 だいたい、予想が外れたからって、真顔で尋ねられても困るんですけど」

「私の勘違いってこと?」

「貴方がどう思うかなんて知りません。 だいたい、幼年学校と学園を比べるのはズルい。 マトモな授業じゃないのを分かってるのに、変なこと聞かないで欲しいです。 オマンコ――ううん、チツマンコですね。 チツマンコの拡げ方で採点される世の中で、どうやったら1番になれるっていうんですか? 知らないですよ、そんなの誰も。 右も左も、これからどうなるかも全然わかんないのに、なんで1番じゃなくていいのかなんて、考えたこともないし、考える余裕もありません」

「それは……うん。 そうだね」

 微かに22番さんが視線を逸らせました。

「だいたい貴方だって立場は同じでしょ? そもそも、先輩に特訓して欲しいって言いだしたのは貴方じゃないですか。 私は寄せて貰っただけ。 自分が一番になりたいのが誰かって聞かれたら、みんな貴方だって答えます。 自分を棚に上げないで欲しい」

「……それも一理ある」

「もったいぶっちゃって。 私からしたら、一番優秀なのは誰がどう見ても貴方で決まり。 ちょっと要領が悪いかもだけど……でも、そんなの些細な問題です。 教官の言いたいことを先取りするのが優秀なら、いっつも最初に当てられて無難にこなす貴方以上に優秀な人が、どこにいるのって話です」

 思わず口が滑って本音が出ちゃいました。 私にとって最も優秀なクラスメイト……22番さん以外に考えられません。 その当人から褒められるのって、ある種の嫌味っていうか、考えようによっちゃ屈辱じゃないですか。 バカにされてるっていうか……とにかく、イラッとしてしまった時点で私の失態です。

「そ、そうなの??」

「そうです」

 断言します。 言ってしまったことはしょうがないし、今更取り繕う気もありませんし。

「えっと……う〜ん……そんなことないんじゃないかなぁ……」

「またまた、心にも無い癖に。 自分が一番だって分かってるし、一番になるつもりなんでしょ? そのために特訓までしちゃって、ただでさえ勘が良くて、体力もあって、頭もいいのに。 努力まで人一倍するなんて、どんだけやる気なんですか? そうじゃなくても調子にのってくれればいいのに、謙譲も度が過ぎてます。 惚けちゃって、わざとらしいし、貴方って何もかもがズルい。 努力する秀才を気取ってるんでしょ、どうせ」

「買被られても困るよ……私が秀才なわけないし、私より2番さんの方が優秀だよ……」

「しつっこいです。 それ以上煽てられてもうっとおしいだけですから」

「煽てるなんて、そんなこと……何でそう思っちゃうんだろ……う〜ん、本当のことなのになぁ」

 まだあんなことを言ってます。

「私だって、あんまり他人を褒めたくなんかないんですよ、本当は……フン」

 視線を逸らして俯いた時、ポツリと呟いてしまいました。



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