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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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高梨愛理の亡霊-6

 「本名は木下和歌と言ってね、一応高梨愛理との関係を質問したけど、知らないって。でも態度が初めから挑発的だし嘘にも思えるし、思えないし。はぐらかされてる感じかな。実に堂々としてるし、ある意味ナメてるわね。」
 「そーゆー人間、大好き。燃えるわ。」
杏奈は笑う。
 「さすがね。じゃあ入る?」
 「勿論。」
杏奈は若菜を取調室の中に入れる。まず見えたのがセクシーなブランド物のスーツを着て脚を組み余裕の表情で椅子に座りこちらを見る和歌であった。生で見るとさらに色っぽくいい女だ。マギーが子供に見える。
 「初めまして。」
 「どうも。」
笑みを浮かべたまま頭を上品に頷かせた和歌を見て若菜は直感した。
 (知ってるわね、私の事…。)
と。若菜もニコッと微笑みを返し椅子に座り対面する。
 「テレビで見るよりいい女ね。」
 「ありがとう。あなたも相当美しいわね。うちの店ですぐにトップになれるわ?」
 「フフ、当然よ。」
 「フフフ」
お互い含み笑いしあう。
 「ねぇ、芸能界のイケメンといっぱいヤッたんでしょ?一番有名な男、誰?」
 「え?」
いきなり刑事としての質問をしてくると思った和歌は意表を突かれた。
 「ねぇ、誰よ??」
 「い、言わないわよ。信用問題に関わるから。」
 「いいじゃない。教えてよ。」
 「言いません。」
 「ちっ、ケチ。相当ヤッたんでしょ?」
 「まぁ、それなりに。」
 「くぅ〜!もったいつけちゃって!ジョニーズとかヤッたの?」
 「…何人かは。」
 「え?じゃあケムタクとかヤッた??」
 「だ、だから言わないって…」
若菜はまず本題に入る前にどうでもいい会話をして相手の癖を観察する。仕草、目の動きなど、その変化を密かに探っているのだ。和歌の場合、言った後に視線を一瞬下に向ける仕草が嘘をついている時のようだ。嘘の仕草を掴んでしまえば真実に辿り着く場合が多い。最近特に心理学を一生懸命学んだ成果であった。
 「いーじゃない別に。中井君とかヤッてないの?」
和歌は苛つきを隠せない。手で机をバーンと叩き身を乗り出して声を荒めた。
 「だから言わないって言ってるでしょ!!」
そんなやりとりを見ていて杏奈は思った。
 (さすがね、若菜ちゃん。)
やはり若菜は並の刑事とは違うと思った。なぜならナメた態度で今まで取り調べをはぐらかしていた和歌を崩したからだ。本性を引き出す若菜の能力には改めて感心した。
 「まーそんなに熱くならないでよ。ンフッ」
表情そのままで何の動揺もなく微笑みを浮かべる若菜に、和歌は我に返り憮然としながら椅子に座った。


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