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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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高梨愛理の亡霊-1

 若菜とマギーは東京刑務所に向かう為、常磐高速道路を走っていた。運転するのはマギーだ。マギーは若菜と同行する機会が多く、特命捜査対策室に来た時は殆どペーパードライバーであったが、すっかり運転も上手くなった。
 「マギーも運転上達したわね。」
 「そりゃあ優秀な先輩に鍛えられてますから。」
 「だよねー。アハハ!」
 「皮肉ですけど?」
 「そう?意味分かんな〜い♪」
ウンザリしたような表情を浮かべながら大きく溜息をついた。なぜなら若菜のレクチャーは酷いものであった。思い返せば酷い話ばかりだ。
 例えばまだ土地勘のないマギーが県警本部に戻る時、分からない道路に入ってしまい道を尋ねた時には…。
 「そんなもん太陽の位置を見て帰るのよ!」
と言ってひたすらスマホをいじっていた。
 行き先の場所が分からずナビを使おうとした時にはテレビを見てると言って使わせてくれなかった。その時も太陽の位置を見て頭で考えろと言われた。その時敢えて言わなかったが夜で太陽はあるはずもなかった。そんな不条理に満ちたスパルタ教育を受けたのだ、上手くならない訳がなかった。
 「ナビ使わなくて平気??」
よくもシャアシャアと、と思いながらマギーは答える。
 「どうせテレビ見たいからって使わせてくれないくせに…。」
 「アハハ、分かってんじゃん♪」
ケラケラ笑う若菜をぶん殴りたい気持ちを抑えてマギーは運転する。
 ワイドショーを見ている若菜。奇しくも覚醒剤所持で逮捕された芸能人のニュースをやっていた。
 「Hage&KasugaのKasuga逮捕から芸能人、続々検挙されるわね。野球の草原に続いて高時昇もかぁ。奥さんの高下優子って今刑事ドラマの撮影中なんだ。シャレにならないわねー。まだまだ逮捕者出そうね、有名人から…」
テレビを見ながら勝手に喋っている。
 「えー!高時昇ってクラブのママとラブホのベッドで裸同士で寝てる時に掴まったんだ〜。完全にヤッてたわね。高下優子可哀想〜。」
殆どそこらのオバチャンと変わらない。しかし事件の詳細をアナウンサーが喋っていた時に異変が起きる。
 「高時容疑者と共に逮捕された高梨愛理容疑者は読者モデルからレースクイーンを経て、その後ドラマなどに出演した後、30歳の時に芸能界を引退し自ら開業したホステスでママとして店を経営していたと言う事です。」
 若菜の口が止まった。そして画面を非常に厳しく険しい目で睨むように見つめていた。思わずマギーもブルッてしまう程の雰囲気を醸し出していた。
 「高梨…愛理…?」
若菜はその名前に反応した。そんな若菜はもはやオバチャンではなかった。誰もが一目置く刑事の顔付きに変わっていたのであった。


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